私どもの「夏季セミナー」も ”新コロ” のおかげで新しい伝統を積み重ねる機会になりそうです。「伝統」と「伝承」を両輪にして、新しい時代の扉をひらいてゆきます

こんにちは、内藤正風です。

”新コロ”に関連した、緊急事態宣言や県をまたいだ移動など自粛要請が出されていたものが解除され、時間が経つと共に色々なものが通常に戻りつつあります。

もちろん光風流においても、緩やかにではありますが可能な事から動きを始めています。

毎年恒例の夏季セミナーを、今年も開催します

私ども光風流では毎年夏に、夏期講座としての「夏季セミナー」を開催しています。
普段の講習会では、いけばなを生けるという事を中心にした学びを皆さんにしていただいているのですが、1年に1度のこの夏季セミナーでは、いけばなを核とした多面的な学びを持つ機会として開催しているのです。

なのでこの夏季セミナーではお花を生けるという事だけに留まらず、これからのいけばなの在り方についてや、各界で活躍されている第一人者の方にお越しいただき特別講師として講演を行なって頂いています。

今年の内容については先日アップしたBlogにも書きましたので、興味がありましたらそちらをご覧ください。
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”新コロ”に負けず7月に「光風流夏季セミナー」を開催します。「“これまで” と “これから” 新しい一歩の始まり」のセミナーテーマのもと、特別講師には竹山流津軽三味線 師範の吉川大山先生をお招きします

どんな方法で夏季セミナーを開催するか考え中です

夏季セミナーは”光風流本部いけばな教室”で毎年開催をしておりますが、今年はどのような形で開催したらよいかと思っています。
その一番の理由は、「蜜を避ける」という事です。

今の環境の中で「蜜」になるようなことは絶対に避けなければなりません。その為には沢山の人数が一堂に会するとか、1つの部屋に一定数以上の人数が入るというようなことを絶対に慎まなければいけないです。
しかし「夏季セミナー」を例年と同じように開催すると、必ずどこかで「蜜」が生まれてしまいますので、どのような方法をとるのが一番良いかを色々と考えています。

例年とは少し方法を変え、新しい挑戦をしてみようと思います

いづれにしろ1つはっきりとしているのは、「例年と全く同じ方法では開催することは出来ない」という事です。
だったら今出来る方法の中で最良の方法を選んで夏季セミナーを開催しようと思いますし、その事こそが新しい事への挑戦にもなるのだと思います。

そう、これこそ「伝統」を積み重ねるという事です。

「伝統」とは足跡です

伝統をググると

昔からうけ伝えて来た、有形・無形の風習・しきたり・傾向・様式。特に、その精神的な面。

と出てきます。

すなわち、自分が行っている事に毎日愚直に向き合い、試行錯誤をしながら行ってきたことが積み重なり一つの足跡となったのが伝統なのです。

世の中は日々移り変わっています。
時代の流れ、これはいうなれば流行というもので、人々の好みであったり住宅環境というものであったり、価値観というものであったりしますが、この時代というものはどんどん移り変わってゆきます。

例えば、マスクをしていると失礼だと考えられていた時代からマスクをしていないと失礼と考えられるようになったり、スカートの丈の短いものが流行ったり長いものが流行ったり、ちょん髷が普通だったのがそうでなくなったり、畳の部屋が減ってフローリングの部屋が多くなったりっていうことです。

こういう移り変りの中でその時代にあわせて何が出来るのか、どうしたら皆さんに喜ばれるかを考えて、新しい事に挑戦し試行錯誤のなかで革新してゆく。これを積み重ねてきたものが「伝統」に他ならないのです。

すなわち新しい事に挑戦し続けてきた足跡が「伝統」なのです。

「伝統」と「伝承」を両輪にして、新しい時代の扉をひらいてゆくのです

「伝承」が昔からのものをそのまま未来に伝えていくことであるのに対して、「伝統」は同じ技術や材料を使いながらも新しい事に挑戦し革新していくものなのです。

例えば左官さんならば、左官さんお1人お1人の体の中にある技術や知識は「伝承」です。
その「伝承」すなわち技術や知識を使って、今の時代に合わせた新しい壁の可能性を模索し続けてゆくのが「伝統」です。

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「伝承」と言う基になるものがあるからこそ、新しい事に挑戦し「伝統」を積み重ねて行く事が出来るのです。
「伝統」を積み重ねてゆくからこそ、「伝承」が増えて大きなものにする事が出来るのです。

「伝承」を軽んじては新しい事に挑戦できる範囲が狭くなります。
「伝統」を軽んじては未来への可能性が無くなります。

「伝承」と「伝統」は、全く違う事です。
しかしどちらも無くてはならない両輪なのです。
この両輪がどちらも回転するから、未来への扉が開かれ道が伸びるのです。

今年の夏季セミナーは、まさしくそんな機会になると考えています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。