お稽古ってとにかく数さわれば良いもんではないし、長時間やればいいものでもありません。効果的なお稽古こそ上達の近道なのです

こんにちは。内藤正風です。

最近の本部いけばな教室でのお稽古は、今月末に開催する”展覧会形式の勉強会”において会場内に展示するモデル作品の練習が中心になっています。
皆さん熱心に取り組んでくださって、私の方が圧倒されそうなくらいの勢いです。

さてそんな中で、お稽古と聞くと”真面目にコツコツと積み重ねていくモノ”と考えられがちだと思うのですが、実はこれって大きな間違いだという事をご存知でしょうか。

いや、真面目にコツコツとお稽古して頂くのはとても大切な事なんですよ。
しかしここで私が言いたいのは、とにかくむやみやたらとお稽古をすれば良いという事では無く、ポイントを押さえて効率よくお稽古しないと時間も労力もモッタイナイですよーーって事が言いたいのです。

長時間お稽古すれば上達すると思っているタイプ

まずよくあるのが、とにかく時間長くお稽古するタイプです。
このタイプの方は1時間や2時間どころか、数時間黙々とお稽古されていて、なかには夜に家族が寝静まった後にお花を活けはじめて、ふと気が付くと夜が明けていたとかなんて人も耳にします。

まあ我慢強さは称賛に値すると思いますが、一度に長くお稽古しても人間の集中力はそんなに長くはもたないですからある程度時間を切って回数分けてお稽古された方が内容の濃いお稽古になると思います。
例えば8時間お稽古するならば連続して8時間ではなく、1日2時間を4日間おこなって8時間にした方が、何倍も濃い内容のお稽古をして頂く事が出来ます。

お家で生けたら綺麗に入るんですタイプ

次にあるのが、ポイントになるところをしっかりお稽古せずに、「お家で生けたら綺麗に入るんです~」な~んて寝ぼけた事を言っているタイプ(笑)

教室でやって出来ないことが、お家でやったら綺麗に出来たりする事は絶対にないです。そんなお稽古はいくらしても単なる時間の無駄にしかなりませんよ。

ちゃんとした指導を受けずに自分で適当にお稽古するタイプ

そしてその他にも、自分で適当にお稽古をして出来たような気になっているタイプの方もあります。

ちゃんと指導を受けていないので基礎もできていないのに、わからない事を自分一人で模索してお稽古しても時間の無駄です。だって知らないことはいくら考えても解るようにはならないんですから。
例えば日本舞踊を習い始めて間がない人が、まだ習っていないことを自分なりに適当に想像して練習しても何一つ身につかないのと同じです。いけばなは挿さっていれば良いものではないし花が立っていれば良いものでもないのです。

スキーでも自己流で滑っている人は、ある程度までは上達してもそれ以上は伸びないですよね。
正しくないお稽古をいくらしても時間の無駄にしかなりません。それで満足しているのは人生の時間の無駄でしかないのです。

お稽古には大きく分けると「先生の指導を受けて学ぶお稽古」と「学んだことを身に着けるためのお稽古」の2種類があります

ではどのようにお稽古したら良いのか

枝の配置やボリューム感や長短の付け方というような事は、正しい感覚を身につけるためには必ず先生のもとでお稽古をしないと、わからないなりにやっていても単なる時間の無駄にしかなりません。
この部分は自己流にお稽古して間違った感覚をもし身につけてしまうと、そこから正しく軌道修正するためには2倍も3倍もの労力をお稽古にかけなければならなくなるので、是非とも先生の指導をしっかりと受けて学んでもらいたいと思います。

枝を曲げたり形を整えたり足を添わすというような技術は、自宅でコツコツとお稽古をすれば身につけることができます。但し時間の上限は決めてお稽古するのが良いですね。
こういう技術を身につけるためには、ある程度回数や時間を触る事が必須になります。
しかしだからといってダラダラ触っていても身にはつきません。だって人間の集中力なんてそんなに長く維持できるものではないですから。
最長3時間、それ以上はただの惰性になっています。
3時間触って出来なければ翌日に改めてお稽古するのが良いでしょう。そしてこんな風にお稽古していると、翌日お花を触ったら昨日まで出来なかった事がなぜか急に出来ちゃうって事が起こってくるようになります。
これって実は似たような事がギターの練習やピアノの練習でもあるそうで、前日いくら一生懸命何時間も練習しても出来なかったプレイが、翌日朝起きて何気なく弾いたら何故か出来たーーって珍しくないそうなのです。

これって理由がちゃんとあって、人間は寝ている間に脳ミソの中を整理しているそうで、言うなればパソコンのデスククリーンナップやデフラグと同じ事が行われているそうなんです。
なのである程度根を詰めてお稽古したら、寝るという事も上達には必要な事なんだそうです。

苦労したから良いんじゃないし偉いんじゃない

いけばなの技術なんて苦労したから身につくものではありません。ってか、いかに効率のよいお稽古をして上達するかという事も私はお稽古には大切なポイントだと思うのです。

人間は限られた時間の中で生きているのです。1日24時間は万民に平等なのです。せっかくの人生を有効に良き楽しまないとモッタイナイですよね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。