「節分」と「立春」の関係から見えてくる「節分」に生けたほうが良いお花について

こんにちは。内藤正風です。今日から2月になりましたね。

2月になれば「節分」と「立春(りっしゅん)」がすぐにやってきますね。ちなみに今は立春よりも節分の方が皆さんの意識にあるのかなーとも思います。だって食べる物(恵方巻き)には勝てないですからー(笑)
しかし本来は「節分」と「立春」だと、立春の方が大きな節目なのをご存知ですか。

「立春」とは何か

「立春」と言うのは”今日から春ですよー”という日で、古来より伝わる二十四節気(にじゅうしせっき)という季節を表す暦のひとつになります。
ちなみに日本には四季がありますので立春と同じように、夏の始まりを表す「立夏(りっか)」、秋の始まりを表す「立秋(りっしゅう)」、冬の始まりを表す「立冬(りっとう)」の”四立(しりゅう)”があります。

しかし立春というのは暦の上での春を表すものになるので、気温が高くなって薄着になったり芽吹きや花が咲いたりしてウキウキしてくるのはまだもう少し先になってきます。

「四季」って国によってその分け方が違うのをご存知ですか

四季と聞くと世界中どこでも同じだと思いがちですが(南半球は北半球と逆になりますけれどね。)、実は四季の考え方って地域(文化)によって違っていて、先に書いた”四立”という考え方は古代中国の考え方がもとになっています。
すなわち、昼と夜の長さの差が一番大きくなる夏至(げし)と冬至(とうじ)、そして昼と夜の長さがほぼ同じになる春分と秋分を各季節の中心として、この4つのちょうど中間を各季節の区切りとして四立(立春、立夏、立秋、立冬)が設けられているのです。

かたやヨーロッパでの四季の区分は、春分から夏至を「春」、夏至から秋分を「夏」、秋分から冬至を「秋」、冬至から春分を「冬」と言う考えになっていて、実はいま私達が一般的に思う”春夏秋冬”の考え方はこの考え方に近いものになっています。ちなみに気象庁では3月~5月を春、6月~8月を夏、9月~11月を秋、12月~2月を冬と規定しています。

日本古来の暦の上での四季は、お正月を”新春”とか”初春”と言う事からもわかるように、1月~3月が春、4月~6月が夏、7月~9月が秋、10月~12月が冬と考えられていました。まあココでいう月は、この時代は暦自体が旧暦でしたので今とは1か月くらいの違いがあり、今の感覚とは少し違っていますけれどね。

「節分」は季節を分ける日

ではこの「節分」と言うのは何かというと、古来より立春、立夏、立秋、立冬の前日を”季節を分ける日として「節分」と言い、特別な節目として考えられていたものなのです。すなわち四立があって節分が存在しているといっても過言ではないのです。

しかしこの節分という日は、四立に単なるつけたされた日と言うことではなく、とても大きな意味があると考えられているのです。それは、季節の変わり目には邪気が生じ、人々に色んな悪さをして害を及ぼすと古来より考えられており、それを追い払うために宮中において行われていた悪霊祓いが庶民の間にも広がったのです。
そうなんです。元々は節分って年に4回行われていたのです。

そんな節分も近代になって庶民にもとり入れられ、そうこうしているなかで1年の始まりとして特に春の節分当日の夕暮れに、ヒイラギの枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立てたり豆撒きをしたりするようになって、夏秋冬の節分は段々と行われなくなっていっちゃったのです。

節分のお花は魔除けとして生けるのが良い

ってことで、節分に相応しいお花は”魔除け”として生けて頂くのが良いと思います。例えばヒイラギの小枝やヒイラギナンテンを一枝使って、そこに色花をあしらってみてはいかがでしょうか。
なぜヒイラギやヒイラギナンテンを使うかというと、これらには葉っぱに棘が付いていますよね。なので鬼をはじめとする魔が嫌がると言われているのです。

立春の前日の節分に魔除けをして、清々しい中で新しい季節を迎えてみてはいかがでしょうか?

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。