「お盆休み」の起源は”丁稚奉公”にあるってご存知ですか。この丁稚奉公から見える親や先祖を大切に考えると言うこと。

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

「お盆」が近づいてきました

お盆が近づいてきましたね。
今年は8月11日が「山の日」になりますので、11日から15日まで5連休という人も多いでしょう。
もしかしたらそのあと、16日17日18日と有給をとって次の土日の19日20日と絡めて、10連休なんて言うツワモノもおられるんでしょうね。(笑)

去年のお盆は暑すぎて、仏壇のロウソクがこんな風に曲がっちゃいましたーー。。。
こんな経験初めてっす!!!

 

そんなお盆は、皆さんどんな風にして過ごされますか?
旅行?
花火?
BBQ?
海水浴?
トレッキング?
もう予定満載で、楽しみで楽しみで仕方ないですよね(笑)

ところで、お盆って何でしょう?
お盆休み?
連休?

ええ、正解です!!!
けれど間違っています!!!!!
(笑)

「お盆休み」って何?「お盆休み」っていつから始まったの?

「お盆休み」とか「お盆に帰省する」っていう考え方が根付いたのは、昔の「丁稚奉公(でっちぼうこう)」にあると言われています。

「丁稚奉公」とは、お店の下働きとして住み込みで子どもの頃から働く事で、親はそのお店に自分の子供を託します。そしてお店は、子供をたんに仕事をして働く存在として受け入れるのではなく、勉強やしつけなども行います。
今ならばお休みはいつといつで就労時間は何時から何時までと考えますが、丁稚奉公は朝起きてから夜寝るまでが奉公と考えられていました。
なので一度丁稚奉公に出たならば、親や友達に会いたくても自由に会うことは出来ませんでした。

しかしそれではいけないので、年に2度、お盆とお正月には数日のお休みをもらって帰省が許され、実家に戻る事が出来るようになっていました。
これが「お盆休み」や「お正月休み」の始まりと言われています。

「お盆休み」の根底にあるのは、親や先祖を大切にしましょうと言う考え方です

「お盆休み」や「お正月休み」、そしてその帰省は、丁稚奉公に出ている子供から見ると、親元に戻って親孝行をしたり、親に甘えたり、リラックスする機会だったんですね。

そしてこの ”親を大切にしましょう” と言う考え方の元になっているのが、先祖を敬うという事であり、お盆の帰省と言う形になったのです。
神仏を大切にする、すなわちお正月には氏神様にお詣りしお盆には先祖をお祀りすると言うことが、「お盆休み」や「お正月休み」の原点なのです。

一年に一度、親や先祖を想い感謝する機会

現在では「お盆」って聞くと先に書いたような意味での「お盆休み」と言うよりは、欧米の「バケーション」という考え方の方が強いのかなーーって思います。
まあ、どちらが良いとか悪いとかと言うことは無いと思います。
連休としてバケーションを楽しもうとするのも、家族を大切にしようという考え方がその根底にあるのは明白ですよね。
家族には妻、夫、子供、親と言う存在があるわけですから、そう言うことを通じて自分には先祖と言う存在が有ると言うことや、その先祖に感謝すると言うことを、一年に一度だけでもいいので考える機会にして頂く事が出来れば良いのではないかと思います。

人には必ず父と母があります。
その父と母にもそれぞれに父と母があります。
そうやって遡ってゆけば、顔を知っているとかいないとか関係なく、全ての人に10代遡った先祖が存在し50代遡った先祖が存在しているのです。
そう、先祖代々の命のリレーが有ったからこそ、今日のあなたに繋がっているのです。

日頃はそういう先祖の存在なんて、すっかり忘れていてもいいんじゃないかと思います。
しかし一年に一度だけお盆の時に、そう言うことに想いを馳せる機会とし、チョットだけの感謝をする機会とする事が出来れば、お盆の価値があるのではないかと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。