あなたがいつもお花を買っているお店は大丈夫ですか? 花を買ってはいけない花屋さんの三つのポイント

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

この季節になると、いつも「お花を長持ちさせる方法」についてブログで書いています。
お花をせっかく生けて飾っても、すぐにお花がダメになっちゃうと悲しいですよね。
お花って熱くなってくると、細胞の活動が活発になって早くお花が咲くようになってきます。
これは自然な事なので仕方ないです。
しかしお花って、実は皆さんが思うほど早く傷むものではないんです。
そんな事をお伝えしたくて「お花を長持ちさせる方法」についてブログを書かせて頂いています。

しかしその生けて飾られているお花って、そもそも新しいお花でしょうか。。。
「お花屋さんで買ってきて、すぐに飾っているんだから新しいお花に決まっているやん!!」って思っている人が多いと思いますが、実はそうではない場合があるのです。

街にあるお花屋さんは小売ですから、そのお店で扱われているお花は地域の花市場で仕入れを行って店頭に並べられているのですが、全てのお店が同じ状態でお花を販売しているわけではありません。
先日も私が参加しているマックスブログ塾の壁下塾長が、日頃買っているお花屋さんではなく、スーパーの店頭で売られているお花を買ってきて飾られたのですが、その痛みの早さに驚かれていました。

仕入れてきたお花に「水揚げ」をしていないお店のお花は長持ちしません!

お花屋さんには、仕入れてきたお花に、「水揚げ」を施してから店頭に並べているお花屋さんと、仕入れたお花を何もせずにそのままバケツにつけて店頭に並べているお花屋さんとあります。
この違いで今後のお花の品質に大きな違いが出てきます。

皆さんよ~く考えてみてくださいね。
お花って日本国中どころか世界中の産地から市場に届いています。
もう今や海外から入っているお花の方が多いくらいです。
それぞれの産地で切り取って、束ねて、梱包してから市場に向けて発送されます。
陸路、空路で運搬されて市場に到着したら、セリにかけられて各お花屋さんの手に渡ります。
この切り取られてからお花屋さんの手に渡るまで、早くて約2日、産地から市場までの距離が遠ければもう少し日数が掛かります。
この間、お花はお水を吸えない状態で運搬されています。
最近は足元に水の入ったホルダーをつけたり、保湿剤でくるんで運搬されているものもありますが、けして十分な水分が与えられているわけではないです。
その上、箱に梱包されてギュウギュウ詰め状態で運搬されているのです。

もし人間が満員電車や満員のバスにすし詰め状態で、ろくに食べ物も与えられずに3日間移動したらどうなりますか(^^;
死なないまでも確実にヘロヘロになっちゃいますよね。
体調を崩す人も出てくるでしょう。
もし自分がそんなところに放り込まれたら。。。。。考えただけでも怖いですよね。

こんな状態でお花は遠いところから長旅をしてお店に届いているのですから、お花を労わり元気にしてあげるように養生してあげる必要があります。
これが「水揚げ」という技術なのです。

この「水揚げ」を施しているかいないかだけで、その後のお花の元気さ、人間でいえば健康さ加減が違ってくるのですから、当然お花の日持ちに大きく影響してくるというのはお判りいただけると思います。

お花の冷蔵庫の中に長く置かれていたお花は、買って帰ってから長持ちをしません!!

お花屋さんはお花を入れる冷蔵庫を備えています。
温度を下げた環境にお花を置く事で、花が早く咲いたり傷んだりすることが無いようにしています。
けれど実はこの冷蔵庫が曲者なんです。

どういう事かと言うと、
例えば、一週間は綺麗な状態で咲くお花があるとします。
このお花をお店が仕入れてから、冷蔵庫で1週間展示や保管していたとします。
1週間くらいたっていても、お花は冷蔵庫に入っていますから、パッと見た目は今日仕入れてきたかのように綺麗な状態です。
1週間冷蔵庫の中で過ぎた、一見すると綺麗に見えるお花を、そんな事を知らずに買って帰られたら、お家で1週間は絶対に日持ちしません。
まあ3~4日くらい日持ちすればいい方だと思います。

お店でパッと見が綺麗な状態だからと言って、必ずしも新しいお花とは限らないのです。

手入れされた綺麗なバケツやハサミを使っていないお花屋さんのお花は長持ちしません!!!

お花は根元から水を吸って生きています。
と言う事は、綺麗なお水を吸う事が長持ちするためには必要不可欠です。

汚れたお水はバクテリアの巣窟です。
汚れたハサミもバクテリアの巣窟です。
一見綺麗に見えるお水も、汚れたバケツに汲まれた水では、バケツの汚れからバクテリアが繁殖してすぐに充満しちゃいます。
汚れたハサミでお花の足元を切ったら、切り口にダイレクトでバクテリアを塗ったような状態になっているのです。

お店で展示されている間に、バクテリアを茎の中や葉っぱや花に充満させちゃっているのですから、買って帰ってきてからそのお花が長持ちするのは無理だというのはお判りいただけると思います。

ちなみにうちでは、使うバケツとかを綺麗に洗ったら、写真の様にこんなので除菌もするようにしていますYO。

だってお稽古にお越しくださった皆さんに、持って帰られたお花を少しでも長く楽しんでいただきたいじゃないですか。

良いお花屋さんの見分け方は日頃からジ~ッと見る事が大切です

お花屋さんで並んでいるから新しいお花だとは限りませんし、見た目がきれいだから健康で新しいお花とも限りません。
先に書いたようなことをしっかりとされているお店がある反面、全くされていないお店があるのも事実です。

良いお店をしっかりと選んでくださいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。