事始めの諸道具を片付けながら得た豆知識、漆器の手入れ法とお餅を柔らかいまま長期間保存する方法

こんにちは、内藤正風です。

今日は12月15日、今年も残すところ半月になりました。
私ども光風流では「事始め」も終えて、来年に向けて一直線という感じです。とはいえ特に何か特別な事をするというのではなく、クリスマスのお花やお正月のお花のお稽古を行ないながら今年が過ぎてゆくって感じです。

さて事始めを終えて色々な道具類の片づけを行なっているのですが、今日のブログではそんな片付け作業の中から、これから年末年始の生活の中で役立つ豆知識を2つ紹介したいと思います。

「塗り」の物は、早めのお手入れが大切です

事始めでは、高職許状の授与や表彰なども行うので「賞状盆」を使います。
「賞状盆」っていうのは、表彰とかの時に賞状を載せて運ぶのにつかわれている四角くて黒い「塗り」のお盆のことです。

「塗り」とは漆塗り(うるしぬり)の事で、漆器の事をいいます。木や紙に漆(うるし)を重ねて塗ったもので、お椀などの食器や、お盆、文箱など色々な物があります。
この「塗り」の物は、とても美しく風格のある物なのですが、使った後の手入れをちゃんとしておかないとすぐに傷んでしまいます。
ではどうしたら良いのかと言うと、漆器の種類によって大きく分けると2通りの方法があります。

まずは今回使った「賞状盆」や「文箱」のようなものの場合から説明します。
「賞状盆」は運ぶ時に素手でさわっていますよね。手には手垢や手の油などが有りますので、その触ったところにはこの手垢や手油が必ずついています。
この手垢や手の油が付いたままで放っておくとどうなるかと言うと、手垢や手の油は、カビの栄養になります。なのでカビが生えてきて塗り自体が傷んでしまう様になります。
ふき取らずにそのまま片づけて、一年後に出してみると指の指紋の形にカビが生えていた~なんてことも珍しくありません。
こうなるとカビが塗りの中にまでカビが入り込んでいたりするので、ふき取ってもカタが残ってしまったりします。

なので「賞状盆」の場合、乾いた柔らかい布で隅々まで拭きます。
布で撫でればいいという事ではなくて、手の垢や油の付いているところは光に反射させるとすぐにわかりますので、綺麗に跡形なく拭き取ってしまいます。

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そして写真のように金で紋などが描いてある部分は、こすっちゃダメですよ!
ここをゴシゴシこすると、金がとれちゃいます。

次に「お椀」や「重箱」のような食事などに使うもののお手入れについて書きたいと思います。
食事などに使うような漆器は、洗って汚れを落とします。なので柔らかいスポンジに中性洗剤などを付けて、優しく洗う様にしてください。食洗器は厳禁です。
普通の食器と違う点は、塗ですのでお茶碗とかと比べるととても柔らかい素材になりますので、陶器や磁器などの食器と一緒に扱うと傷の原因になりますので、必ず別に扱うようにしましょう。また長時間の浸け置き洗いなども厳禁です。
そして洗い終わったら、そのまま乾燥させると水滴などの型もつきますので、柔らかいガーゼなどの布巾で拭き取ったほうが良いでしょう。

あと最後にもうひとつポイントが!!!箱に片づける時に素手でさわらないように気を付けてくださいね。
折角拭いたのに箱にしまうときに素手でさわってたら意味なくなっちゃいますよね。
手袋でもするか、もう一枚布を用意して両手に布を持って素手でさわることが無いようにして下さいね。

お餅は冷凍しておけば、いつまでも柔らかいです

「事始め」ではお餅(鏡餅)を飾ります。

 

お餅は、作られた瞬間から一分一秒ごとに固くなってゆきますが、食べる事を考えるとお餅って軟らかい方が絶対に美味しいです。
なので私は、お餅を美味しく食べる事が出来るように必ず冷凍保存をしています。

お正月の鏡餅はそんなわけにはゆきませんが、お雑煮などに使うような食べる様のお餅は、お椀一杯分ずつの量(個数)をラップに包んで小分けにして、そのラップしたものをジプロックなどに入れられる分量ずつ入れて密封して、冷凍庫で凍らせています。
こうしておけば、凍っているお餅をラップから出してお皿に乗せてレンジでチンすれば、いつでもつきたてのお餅を楽しむことが出来る様になります。

短期間で食べてしまうのならばラップだけで冷凍保存しておいても大丈夫ですが、長期保存するのならばラップのままで冷凍庫に入れずに、ラップしたお餅をジプロックとかに入れて密閉しておくと、半年とか1年くらいの期間でも余裕でOKになります。

という事で、本日は事始めに関連する漆器とお餅の事についての豆知識Blogでした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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