いけばな展では作品を展示するので「展示会」だと思われている方が多いですが、実はいけばな展は「通信手段」なのです

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は午前中は光風流の会議、お昼は光風流の支部の方とのランチ会議、そしてその後、兵庫県西脇市で開催中の光風流の支部展にお祝いに伺ってきました。

こんな隠しキャラもいましたよ。

いけばな展は ”1回で3度” 楽しい

昔、チョコレートのCMに「一粒で二度おいしい」ってのがありましたが、私は「いけばな展」って1回で3度楽しいと思っています。
まず一度目の楽しさは、企画をし準備をしている段階。次に2度目の楽しさは、作品を作り上げている段階。最後となる3度目の楽しさは、生けた後から会期中。この3回の楽しみがあると思うのです。

いけばな展はまず企画し準備することからスタートしますが、この段階はウキウキワクワクが止まりません。だってどんなことをしようかと考えていると色々な企画が浮かんできて、それがおバカな妄想だったりなんかするとニヤニヤしちゃいます。

次に作品作りがまた楽しいのです。今までできなかった生け方がお稽古を積み重ねることによって出来るようになっていてくださったり、作品の完成度がお稽古の回数を重ねるごとに一段も二段も向上したり、他にも仲間同士の絆を深く強くして下さったりしている様子をみていて、皆さんの活躍や成長が本当に嬉しいですし心強いですし、頼もしさを感じます。
そしてこれは
自分の作品作りにおいても同じで、いけばなを生ける作家というかそういう感覚で満たされ、作品を作り上げる事のみに集中し焦点が当たっていきます。なので一本の枝、一輪の花、一枚の葉を見て、イメージを具現化してゆく作業が、楽しくて楽しくてたまりません。

「いけばな展」が始まったら、会場に来てくださる皆さんとお出会いさせて頂きお話しさせて頂くのが本当にうれしいし楽しくて仕方ありません。
いつも出会っている友人でも、お花の作品を前にして話をしていると日頃は出てこない話題がポンポン飛び出してきてとても面白いです。また逆に、日頃ご無沙汰している方とも「いけばな展」と言う事でお出会いさせていただく事も出来て、これも本当に楽しいのです

いけばな展は「展示会」だと考えずに「通信手段」だと考えたほうが良い

この様にしていけばな展を見ていると、私にとって「いけばな展」は単なる展示会という存在ではなく「通信手段だなぁ」と感じています。

展示会とは、そこに作品を展示することが目的になります。確かに作品を売るとかという性質のモノでしたら、誰が来てくださったかではなく、何点売れたかで判断することもできるでしょうから、それもありかもしれません。
しかし「いけばな展」は展示した作品を販売するわけではありませんので、作品を展示することが目的であってはいけないと私は思うのです。だって会場にお越しくださった色んな方と出会い、話し、そしてそこから新しい企画や話が広がったり、新しい出会いがあったりします。久しぶりの出会いを懐かしんだり、可能性が広がったりすることもあります。日頃お出会いさせて頂くことが出来ないような方も、いけばな展のご案内を差し上げるとわざわざご来場くださったりするのですから、その意味で考えるといけばな展は「通信手段」以外の何物でもないと思うのです。

思い込みから解き放ち、本質を正しく理解することこそが、新しい扉を開く第一歩です

いけばな展は、作品を展示しているという意味でいうと「展示会」です。しかしいけばな展で必要なのは「展示会」ではなく「通信手段」としての取り組みなのです。

思い込みを解き放ち、本質を正しく理解することこそが、自分の可能性を開く第一歩になります。まずは思い込みから無くしていけばな展と向き合ってみると、新しい可能性が広がってきますよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。