いけばなの「下生け」は料理の「下ごしらえ」と同じであり、「段取り八分」を体現している作業です
目次
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
明後日11月12日(水)から、いよいよ「兵庫県いけばな展(神戸会場)」が始まります。
私は前期に作品を展示するので、その作品の「下生け」を先程まで行なっていました。
下生けをしながら、いけばなの「下生け」とお料理の下ごしらえって同じだなぁと思うと共に、昔から言われている「段取り八分」って正にそうだなぁと思ったので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。
生け込みとは、限られた時間の中で結果を出す作業です
いけばな展の会場で作品作りをする「生け込み」は時間が限られており、約2時間程度しかありません。
2時間って長く感じられると思いますが、集中して作業していたら ”あっ” という間の時間です。なので何も準備をせずに生け込みに臨んだら、時間が足りないわ、作品の完成度は低くなっちゃうわで、ヒッチャカメッチャカでえらい事になります。
なので2時間の生け込みの場合でしたら、1時間くらいで作品を作り上げることが出来るように下準備をしておく必要があります。そうすれば何か思わぬ事が起こっても、落ち着いて対処対応をすることが出来ますので。
「下生け」とは、お料理でいう「下ごしらえ」と同じです
ちなみにこのいけばな展の生け込みというのは、お料理とよく似ています。
お料理を作るときには、そのメニューにあわせて事前に「下ごしらえ」をしますよね。食材を切っておいたり、あく抜きをしたり、下味をつけてなじませておいたり。
なのでお料理というと真っ先に頭に浮かんでくる、鍋で煮炊きしたりフライパンを振るような段階は、最後の仕上げであって、「下ごしらえ」の如何でお料理の出来不出来の大半って決まっちゃいます。つまり、「下ごしらえ」を手抜きするとエライことになっちゃうという事で、いけばな展の作品の「下生け」も全く同じなのです。
つまり「下生け」とは、作品のイメージにあわせて必要な枝と不要な枝を仕分けしたり、骨格となる形を作っておいたり、器に安定して留める事が出来るようにその土台をつくっておいたりする、下ごしらえ的な作業になります。
そして、こういう部分の準備をしっかりとしておかないと、生け込み本番でよい作品を仕上げる事が出来なくなってしまうのです。
昔からの言葉に「段取り八分(はちぶ)」という言葉が有ります。
日本には「段取り八分」という言葉があります。これは、良い仕事をするためには、仕事の八分(8割)は段取りで占められ、残りの二分(2割)が実際の作業になるという教えです。
しかしこれは仕事だけに関する事ではなく、日常生活や遊びなどすべての事柄にも当てはまる事だと思います。
1つの事には事前の準備がとても重要であり、この良し悪しが効率や出来に大きく影響してきます。だからこそ、事前の準備を疎かにしてはいけないと言う事です。
いけばな展の生け込みも同じです。生け込みの時間内に最高のパフォーマンスを発揮できるようにするためには、生け込みの始まる前にすでに勝負は始まっており、正に段取り八分だという事なのです。
準備万端整えて、生け込み自体を楽しめるようになれば一人前です
準備が用意万端であればあるほど、何か思わぬ問題が起こっても焦ったりパニクったりせずに済みます。ってか、そういう突発の事までも楽しむ事が出来るようになるのです。
そして楽しむという事には心のゆとりもあるので、自分の楽しさだけではなく作品の出来もよくなってきます。そうなれば周りにも気が向くようになりますから、周囲の人への気遣いも出来るようになってきます。折角のいけばな展なんですから楽しまなくちゃ勿体ないですよね。
内藤正風PROFILE

-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
最新の投稿
・内藤正風の視点2025.11.10いけばなの「下生け」は料理の「下ごしらえ」と同じであり、「段取り八分」を体現している作業です
・内藤正風の視点2025.11.09YOROZU salonを通じて改めて感じた、大きな成果に見えるような事も実は小さな一手から始まっているという事
YOROZU salon2025.11.08YOROZU salonを開催しながら思った、「普通の事」と「普通の事」を掛け合わせると、とても魅力的で面白いものが生まれるという事
YOROZU salon2025.11.07いよいよ明日、異業種が集う「YOROZU salon」を開催します。今ならまだご予約可能なお時間もありますよ


