旬を大切にしないから貴方の人生は退屈になっているし、信頼も失う事になっているのをご存じですか
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
10日ほど前から急に、紅葉をはじめとして秋の風情が濃くなってきました。そんな中「旬(しゅん)」という事について思ったので、今日のブログネタとして取り上げたいと思います。
いけばなは「旬」を大切にします
いけばなでは「旬」を大切に考えます。ちなみに旬と一言で言っていますが、それには"季節による旬"や"歳時による旬"など様々なものがあります。
季節による旬とは、春夏秋冬、1月から12月までの月などがあります。そして歳時による旬とは、五節句や雑節、ハロウインやクリスマスというようなイベントなどがあります。ほかにもお誕生日や記念日などもあるでしょう。そしてそのそれぞれに合わせてお花を生け飾ります。
例えばお正月は、クリスマスが終わったらお正月のお花を生け飾ります。これは1月1日に正月のお花が生けてあればよいという事ではなく、正月前から正月のお花を生ける事によって、正月に向けての空気を作り盛り上げてゆこうという事でもあります。
つまり旬とは「先取り」することによって、そこに生け飾られているお花の価値がより大きくなるという事でもあります。
旬は ”過ぎ” ても ”早すぎ” ても価値がなくなる
先の件で「旬は先取りすることによって価値が大きくなる」と申し上げましたが、では逆に旬が過ぎてしまったらどうなるかを、考えてみたいと思います。先ほどはお正月を例に挙げましたので、今度はクリスマスで考えてみましょう。
クリスマスは12月25日、イブは12月24日になります。そんな中、お正月に伺ったお家やお店でクリスマスのお花が飾られていたらどう思うでしょう。「うわ~いいなぁ!クリスマスやん!!」って気分が盛り上がったり嬉しくなったりするでしょうか。
多分ほとんどの方が、「えっ!お正月なのにまだクリスマスのお花飾ってるの?。。。」って思われるのではないでしょうか。
では旬が早い分には、いくら早くてもよいのかというとそうではありません。
これはお正月で考えるとわかりやすいですね。お正月にはお節料理をいただきます。このお節料理ですが、早い方が良いからといってクリスマスに出されたらどうでしょう。価値も魅力も半減どころか全くなくなってしまいますよね。
なのでお節料理を先取りして特別感を感じるのならば、お重に詰めて余分に残ったものを12月31日にチョットいただくと、凄く特別な感じがして嬉しいですよね。
つまり旬を過ぎてしまうという事は価値がなくなるという事に他ならないし、旬よりも早過ぎるのもそのもの価値を損なうという事なのです。
旬を外すと信頼を失う事になる
そしてここからが重要な点になるのですが、旬を外すと価値がなくなるだけだったらまだいいのですが、実は信頼を失う事になるのをご存じでしょうか。
たとえば先ほどの例で申し上げると、お正月にクリスマスのお花が飾ってあると、「えっ!お正月なのにまだクリスマスのお花飾ってるの?。。。」って思いますよね。そしてそのあとにこんなことも思うのではないでしょうか。「クリスマス終わってお正月になっているんだから、せめて片付けるくらいしたらどうなの」と。
そして、「いや~残念なお家だなぁ」って思ったり、「このお店で買い物するのやめようかな。。」って思ったりするのではないでしょうか。
これは早すぎるのも同じ結果になりますよね。秋になってすぐなのにクリスマスツリーが飾られていたらどう思いますか。
つまり旬を逃すという事は価値がなくなるだけではなく、信頼を失うという事にもつながるのです。
「旬」を大切にするとは「適切な時を見定め判断できる力」
「旬」を大切にすることの効用は、日常生活の中でもお仕事においてもいけばなでも全く同じことだと思います。
お正月の花を秋の間に生けて飾っても、だれにも魅力を感じてもらえないでしょう。また逆に1月の末になってからお正月の花を生けてもらっても誰も喜ばないです。
全ての事柄には「旬」があります。そしてその旬は、理由の如何を問わず大切にしなければ、そのもの自体の価値が失われてしまうだけではなく、信頼も失ってしまう結果になってしまうのです。
「旬」を大切にするとは、「適切な時を見定め判断できる力」という事でもあるのです。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。