「どうせ私なんて・・」という言葉は、自分で自らを殺してしまう悪魔の言葉なのをご存知ですか

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は光風流本部いけばな教室で終日お稽古日なのですが、お越しになられた方とお話をしていて「どうせ私なんて・・・」という言葉が出てきたので、もったいないですよ~ってお話をさせていただきました。
なぜならこの言葉って、自分で自分を殺してしまう悪魔の言葉だと私は思うからです。

あなたは ”あなた以上” でもなければ ”あなた以下” でもない

どうせ私なんて。。。って言われている人の気持ちは、ハッキリ言って私には解りません。だって私にはそんな思考全くないので。(笑)
たぶん誰か他の人と較べて ”どうせ私なんて。。。” って言われていたり、自分の思った通りに物事がならないことで ”どうせ私なんて。。。” って思われたりしているんだろうなぁって想像は出来ます。

これどこの思考や言葉って、何も生産的なものを生み出さないものだと思うのです。そしてこの自分を殊更に卑下する思考や言葉は、最初に書いた様に自分で自分をつぶしてしまう悪魔の思考であり言葉だと私は思っています。

自分の全てを受け入れる事が第一歩

私は人間にとってまず一番大切な事は、自分の全てを受け入れる事だと思っています。自分の好きな点、自分の嫌いな点、自分がいる環境や現在の状況、そのほか何から何まで色んなものが集まって ”自分” を構成しているのです。
ってかそもそも自分が好きと思っている点も、他の人から見たらイヤな点に見えているかもしれません。自分で嫌いだと思っている点が、他の人からみて憧れている点になっているかもしれません。

そして今おかれている状況も、「こんな大変な状況。。」って自分では思っているかもしれませんが、その状況は見方を変えると、自分が成長するための好機であり新しい扉を開くために用意された機会かもしれないのです。
あるいは自分で思っている「こんな大変な状況。。」ってことも、もっと大変なことを経験してきている人にとってはそんなに大変じゃないと感じているかもしれません。そう考えると、好きとか嫌い、大変な状況。。。なんていうのは、絶対的な物差しはそもそも無いという事に他ならないのです。

絶対的な物差しはこの世に無い

例えば野菜のネギがありますが、ネギが好きな人がいますしネギが嫌いな人もいます。これってネギが好きな人が正しくてキライな人は間違っているって事ではないですよね。単なる好みの問題です。
人の好きな点や嫌いだと思う点も、これと同じことなのです。
そしてこれは自己に対しても同じで、今の自分の全てを受け入れることができないから、自分に備わっているものを冷静に確認する事が出来なくなっちゃうのです。つまり自分の偏った見方で、ここ好き、ココ嫌いって分けているだけなんです。

法律であっても、国が違えばその内容もまるっきり変わってくるくらいなのですから、絶対的な物差しはこの世には存在しないのだと思います。

今を丸まま受け入れる事が出来ると、どうしたらよいかが見えてくる

今の自分の全てやおかれている状況や環境をそのまま受け入れる事が出来ないから、その結果、知恵を働かすことができずに不平不満しか生み出せなくなってしまうのです。不平不満を言うのは、自分の現状を事実として受け入れることができていない現れだと思います。

なのでまずは、今ある全てを丸まま受け入れる事から始めるのが1番手っ取り早いと思うのです。自分の好きな点もキライな点も、身の回りで起こっている事も、自分がいる環境や与えられている状況も、そのまま全部です。

”いけばな” も ”人生” も ”仕事” も同じ

いけばなは自然の植物を使って作品を作ります。そんな中で自分が思ったような枝振りの材料は1本もありません。絶対に。
そしてお花を生ける環境も、良い場所ばかりをあてがってもらえるわけではありません。不本意な環境で生けなければならない場合もあるでしょう。
その上、自分の技術や知識も、今の自分に備わっているものが全てです。急に上手になりたいって言ってもそれは不可能です。
そんな事実というか現状にありながら、不平不満をどれだけ言っていても良い作品は絶対に出来ません。まずは今ここにある材料、環境、自分の知識や技術で何が出来るかを考える事が最善の方法なのです。

“いけばな” も “人生” も “仕事” も、すべてが結局は同じことであり、これこそが、いけばなが「華道」と言われる所以でもあるのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。