伝承と挑戦を両輪にしながら新しい取組みを行なう事が「適者生存」に繋がり、未来への扉を開く唯一の方法になるのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

皆様のおかげをもちまして、「選抜作家いけばな展」を無事にそして盛会に終える事が出来ました。
お忙しい中をお越しくださいました皆様、本当にありがとうございました。

今日は、いけばな展を通じて思った「挑戦することの大切さ」という事についてブログを書きたいと思います。

「いけばな」の歴史は、新しい事への挑戦を積み重ねてきた歴史です

いけばなには約700年と言う長い歴史があります。日本古来からあるものと言う事で古臭いものというようなイメージをもたれている方が多いですが、このイメージは全く違うと私は断言します。

「伝統」とは言うなれば「足跡」です。
その時代時代の華道家が、時代の流れや移り変わる環境の中で、新しい挑戦を行い一歩ずつ歩を進めてきたからこそ700年と言う伝統を積み重ねる事が出来ているのです。
住宅環境の変化、人の価値観の移り変り、こう言うことを無視して皆さんに受け入れられる事は絶対にありませんし、そうなれば当然未来もありません。
すなわち言葉を変えるならば、700年間、それぞれの時代の最先端を積み重ねて来たものが「いけばな」であると言えるのです。

「強者生存」ではなく「適者生存」

世の中の価値観や環境は常に移り変わっています。床の間をはじめとする畳の部屋の減少に代表される住宅環境の変化、スマートフォンの普及などによる情報の伝達方法の変化と情報価値の変化に代表される人々の価値観の変化、他にもいっぱいあります。
特にコロナ禍以降の変化はとても大きなものがあり、10年ひと昔と言う言葉の様に、10年前には考える事が出来なかった世の中になっていると言えると思います。

そんな中で未来に生き残っていくことが出来るかどうかは、変化出来たものだけが生き残る事が出来るという事だと思います。
動物でいうと、強いものが生き残る「強者生存」ではなく、その環境に適合したものが生き残る「適者生存」なのです。
今が良いからと言ってそのまま変革を恐れていては、気付いた時には適者ではなくなってしまいます。
常に挑戦し続ける事のみが自らを時代にあわせて変革させることが出来る唯一の方法ですし、だからこそ適者として生き残る事が出来るのだとおもいます。

伝承と挑戦は両輪でなければならない

ここまでお話をすると、じゃあとにかく目新しい事をすればよいという風に考えられる人もあるでしょうが、それは早計です。
何でもかんでも変わっていればいいのではありません。正しく変化してゆく事こそが大切なのです。
では正しく変化するとはどういうことかというと、答えはたった一つしかありません。それは過去に学び過去からヒントやアイデアを導き出すという事です。

目先の変わった事はできるでしょう。しかし常に進化し親転してゆくためにはその土台が必要になります。それがすなわちこれまでいけばなが歴史を積み重ねる中で積み上げてきた伝承に他ならないのです。
「挑戦」と「伝承」というと一見相反するものの様に思われる方もおられるかと思います。古い殻を破り新しいものを生み出すという作業は、古いものを捨て去るのではありません。これまで積み重ねてきたものの上に新たに積み重ねるという作業なのです。
つまり、挑戦と伝統は両輪でなければならないのです。

挑戦だけでは良いものを生み出し続ける事はできません。伝承だけで生き残ってゆく事はできません。
これまでに学び、これからを創造する。これこそが大切な事だと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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