令和最初の「歌会始」が本日開催されましたので、私も令和2年お題「望」をお花で表現してみました

こんばんは。内藤正風です。

今日は皇居において新年恒例の「歌会始の儀」が執り行われましたね。
そんなこと言っても、世の中の多くの人がもしかしたら興味のない事かもしれないですが。。。。。

歌会始とは

歌会始というのはウイキペディア先生によると

歌会始(うたかいはじめ)は、和歌(短歌)を披露しあう「歌会」で、その年の始めに行うものを指す。現在では、年頭に行われる宮中での「歌会始の儀」が特に有名。

となっており、前の年にこの歌会始の”題”が示され、その言葉を織り込んで歌を詠む様になっています。

ちなみに今年令和2年のお題は「望」で、皇居・宮殿において天皇、皇后両陛下や皇族方の他、一般公募の1万5324首から選ばれた入選者10人らの歌が披露されました。

今年の歌会始

令和2年 歌会始の儀 御製

宮中歌会始で披露された、天皇皇后両陛下の御製を次にご紹介させて頂きます。

天皇陛下
学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む

皇后陛下
災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす

私などが天皇皇后両陛下の御製を拝見した感想を申し上げるのははなはだ僭越なのですが、令和最初の歌会始と思って拝見しているからなのかしれませんが、新しい時代へのお心の内が読みこまれているように感じ、何度も読み返させて頂きました。

和歌は日本文化の縦糸というべき存在です

日本文化においてこの”和歌”と言うのは全ての伝統文化に影響を与えている存在で、古来より日本文化の流れをつないできているものと言うことが出来ます。織物にたとえるならば縦糸と言うことが出来るでしょう。

たとえば和歌があったから”ひらがな”が生まれたし、和歌を書く事から”書道”が発展する基になり、文学においても日本の古典文学の最高峰と言われる「源氏物語」の中では数多くの和歌が詠まれていますし、能や歌舞伎、文楽などにも和歌が出てくる演目が沢山あります。
茶道の精神を表すのにも和歌が使われていたりもしています。
まあこの話は書き始めると長くなっちゃうのでこのくらいにしますが、とにかく日本文化における和歌はとても大切な存在なのです。

私も令和2年お題「望」を ”いけばな” で生け表しました

”いけばな”にも、この歌会始のお題をお花を使って生け表すという伝統があり、私ども光風流においても毎年行っています。
なので私もこのお題「望」をお花で表現してみました。

 

この作品は、未来に向かっての溢れんばかりの希望を表現したいと思い生けあげました。

いけばなには手前を現在として奥側(向こう側)を未来とする考え方と手法が、伝統の中にあります。
その手法を用いながら若松を前後の中心に配すことで現在と未来の境の象徴として、手前は現在の輝きや活発な様子を感じるように花を配し、松の向こうには極楽鳥花の和名を持つストレリチヤで未来への飛翔を表現しながら、未来の事なので目前にはっきりと存在しているのではなく松の向こうにチラチラと垣間見える風情を生け表しました。
お楽しみください。

花材・・・ワカマツ(枝物)、オンシジューム(黄色)、アンスリューム(赤色)、オリエンタルリリー(白色)、ストレリチア(オレンジ色)、ヒリュウシダ(飛龍シダ)(葉物)
花器・・・陶器製変形水盤
敷板・・・組合せ花台

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。