今日1月15日は元々「成人の日」でしたが、それ以前の日本における成人という考え方は単なる儀式ではなかったのです

こんばんは、内藤正風です。
今日は少し寒かったですね。っていっても例年に比べれば全然暖かいんですけどね。

少し前までは、今日1月15日が「成人の日」でした

近年、ハッピーマンデーが導入されてから、「成人の日」は1月の第2月曜日になっていますが、この制度が導入される前までは、毎年1月15日が「成人の日」と定められていました。

この「成人の日」が1月15日に定められていたのには、歴史的な背景からちゃんと理由があったのですが、たぶん最近はそういうことを言ったり聞いたりする機会も少なくなってしまっているのだろうなと思います。

以前の「成人の日」が1月15日だった理由

古来日本には、子供が成人になったという事を内外に示す儀式がありました。それが男の子の場合には「元服」であり女の子の場合には「裳着(もぎ)」でした。
そしてこの儀式を行うのが新年最初の満月に行う風習があり、それに由来しているのです。っていっても、新年最初の満月がなんで15日やねん!って思われる方も多いと思います。

それはなぜかというと、今とは暦が違うかったのです。
「新暦」と「旧暦」ってお聞きになられたことはありませんでしょうか?
実は日本は、明治5年から「新暦」すなわち今私たちが使っているカレンダー(暦)を使うようになり、それまでは「旧暦」と呼ばれるカレンダーを使っていました。
この旧暦の特徴は一言で言うならば、お月さまの満ち欠けをもとにした暦なんです。

月は全く何も見えない「新月」の状態から「満月」になりまた「新月」になるという周期を30日間で繰り返しています。
なので「旧暦」で15日は「満月」になっていたという事なんです。

20歳が「成人」と考えられるようになったのは明治以降の事です

「成人式」と「元服」や「裳着」にはちょっとニュアンス的には違いがあり、「成人式」は”儀式”という感じですが、古来よりあった「元服」や「裳着」は儀式というよりはどちらかというと”通過儀礼”としての色が濃かったのではないかと思います。

なぜなら、成人を迎える年齢に今の様に20歳というような一定の決まりというものは明治9年までは無かったのですから、親や周辺が「元服」や「裳着」を行なおうって決めたときがその時という考え方や、山間部の地域によっては「1人で獣(イノシシやシカなど)を狩ってこれたら一人前である」とか農村部の地域では「米俵1俵を1人で運べるようになったら一人前として認められる」というようなものが各地に存在しており、通過儀礼として行なわれていたのです。

ちなみに海外でも、パプアニューギニアにある、蔓を足に括り付けて高い櫓から飛び降りることが出来たら一人前というものなども存在していますので、こういう成人の通過儀礼って世界中においていろんな形であるんだなぁと思います。

もうすぐ成人年齢が18歳になりますね

今20歳で成人とされていますが、今から2年後の2022年の4月1日からは、18歳で成人という事になります。

18歳が良いのか悪いのかなんて、私にはわかりません。
しかし1つハッキリと言えるのは、成人ってそもそも年齢が何歳になったという事よりも本人の意識の問題だろうと思います。

そんな中でこの事について自分に置き換えて考えてみたら、18歳の時の内藤青年には大人としての自覚なんてさらさら備わっていなかったし微塵も持ち合わせていなかったなあと、自分の未熟さを恥じるばかりです。。。

そんな事を思った、今日1月15日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。