いけばな留学は、けしてお金持ちの手慰みではありません。外国で長期間の生活をするのは、かなりの覚悟がなければ出来るものではないからです

こんばんは。内藤正風です。

もうすぐ夏休みですね。
あっ、大学生はもう夏休みかな。。。(笑)
私の教室でも、夏休みに入られる生徒さんがおられます。

中国から"いけばな留学"に来られている生徒さんと今日の教室の後に晩御飯に行ってきました。(あっ、楽しすぎて写真撮るの忘れた。。。)
で、来週から約1ヶ月半、故郷に帰ってのんびりとされます。
なんかこう聞くと遊びに帰るって感じですが、決してそうじゃないんです。
どちらかというと、体調を整えに一時帰国すると言った方が正しい表現かな。

外国で長期間生活をすることの大変さ。。

日本で生活をされながら"いけばな"を学ぶって言うと、「凄いね〜」とか「裕福だね~」って言葉はよく耳にします。
ええ、ハッキリ言って裕福でないと日本でいけばなを学ぶことは出来ません。
だって日本で小さくても家を借りて生活をするっていうと、それだけでも結構なお金は必要になるんですから。

仮にアパートが月家賃5万円とすると年間60万円です。月に光熱費が5万円とすると年間60万円です。そのほかに食費が月5万円としたら年間60万円です。
ええ、日本に来て何にもせずに生きているだけでも180万円は必要なのです。最低ね最低。。。これ実践したら日本人が見てもムッチャ貧乏な生活ですよ。。。。。

で、そのほかに、いけばなをお稽古するのに必要な費用。お出掛けしたりどこかに見学に行けばその費用。友達とのお付き合いの費用。たぶんもの凄く貧しい生活をしていても年間300万から500万は必要になります。
なので日本にいけばな留学をしようと思うと、それなりに資産の裏付けがないと出来ないというのはお分かりいただけると思います。

本当に大変なのはお金じゃない!!

けれど本当の意味で大変なのはこういう事じゃないんですよね。
一番大変なのは、日本で生活をするってことなんです。

どんなに日本が好きでも毎日日本にいれば、国の料理が食べたくなります。
どんなに日本に興味があっても、異文化なんです。そんな日々の生活で日本の中にどっぷりとつかっていると、知らず知らずにストレスが溜まってきちゃいます。

自分に置き換えてみてください。
フランスが大好きだっていう人も、数カ月もフランスにいれば「あぁ~お味噌汁飲みたい。。」とか、畳の上で布団で寝たいとか、日本人に囲まれた生活がしたいってもう人も多いと思うのです。
まあ中にはそんなこと全く思わない変態もいますけれどね。

数ヶ月も異文化の中にいるとホームシックというか、ストレスというか、そういうことを感じる人がとても多いと思うのです。
今回の生徒さんも来日の1年2カ月の間に、帯状疱疹が出たり、風邪ではないですが日々の体調がすぐれなかったりと、色々なことがありました。
これらすべてが原因はストレスだと思うのです。

そう思うと長期間異国にいようと思うと、かなりの覚悟がなければ、成し得るものではないと思うのです。

帰国=リフレッシュ

今回の帰国は、ストレス解消と体調を整える帰国だと思っています。

国で十分にゆっくりとして、体調的にも精神的にもリフレッシュして日本に帰ってきて下さり、8月末から改めていけばなの研鑽に励んで頂きたいと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。