子供の身体が成長するときに成長痛が、筋肉が成長するときに筋肉痛があるように、いけばなのお稽古も上達している時には成長痛があるのをご存じですか

こんにちは、内藤正風です。

パソコンのマウスを新しくして、なんか気分ウキウキしています。人間ってほんの些細なことで嬉しくなったり楽しくなったりするのですから、ホント不思議だなぁって思います。

子供の身体が成長するときに痛みを伴う様に、いけばなのお稽古でも上達している時には痛みを伴います

昨日、光風流の幹部の先生と「成長痛」の話をしました。とはいえ、この成長痛は子供の身体が成長している時のモノではなく、いけばなのお稽古における成長痛のことです。

いけばなをお稽古していると「難しいなぁ」とか「しんどいなぁ」というような事を思う時があります。一見するとそんなしんどい思いなんてしなくていいやんって思われるかもしれませんが、実はこれってとても大切な事なのです。
なぜならこれは「自分の未熟な部分が成長している証」に他ならないからです。そう、成長の証なのです。

筋肉が成長している時には筋肉痛を伴います

私は友達の行なっているオンラインジムで、定期的にトレーニングを行なっています。オンラインジムと侮るなかれ、トレーニングを行なった翌日から2~3日は確実に筋肉痛になっています。

この筋肉痛なんですが、筋肉を成長させるためには不可欠な存在だってご存じでしょうか。
筋肉が成長するためには、トレーニングで筋肉使って傷めつけておいて、その痛めつけた筋繊維が回復することによって筋肉が太くなっているそうなんです。そしてこの筋肉が回復している期間が筋肉痛という状態になっているそうなんです。(マッスル、合っているよね。)

出来ない事に取組むと、ストレスを感じて当然です

人の成長というのは、肉体的であろうと精神的であろうと、知識や技術的であろうと、何事においても出来ないことや新しい事に取組むことにより得る事が出来ます。なので人が成長するためにはある種のストレスとは無関係には済まないという事なのです。

だって今の自分が出来ない事を出来る様になろうとしているのですから、何度も繰り返さないといけなかったり、思うように出来なかったり、失敗したりするのは当然のことですし、そういう状態が続いたら「しんどうなぁ」とか「いやだなぁ」って感じるのは当然の事なのです。

しかし逆に言うと、出来ない事や新しい事に取り組むことによってストレスを感じているという事は、まさに今成長過程の真っただ中にいるって事の現れであるという事なのです。

「楽しい」と「楽(らく)」は同じ文字を使いますが、全く違う事なのです

よく「楽しいお稽古」という言葉を耳にしますが、この言葉を使われている方の中には「楽しい」と「楽(らく)」を混同されているように感じる事があります。すなわち「楽」=「楽しい」と勘違いされているのです。

私は「楽」の先には「楽しい」は無いと思っています。
例えば毎日お部屋でゴロゴロして寝て過ごしていたとします。これって「楽(らく)」以外の何物でもないですよね。ま、最初の数日は楽しいかもしれませんが、1週間1か月経ってくるとどうでしょう。きっと楽しくなくなってくると思います。

「楽しい」とは、そこに ”達成感” や ”満足感” があるから楽しいと思う事が出来るのです。
すなわち「達成感」を得るためには、何かに挑戦したり取組んだりしてこれまでに出来なかったことが出来るようになるからこそ得られるものですよね。
満足感はその文字の通り ”満ち足りたい” という思いです。満ち足りるとは、いま手元にないものを手に入れるための取り組みを行なった結果なのですから、「楽」をして満足感に到達することが出来ないのもお分かりいただけると思います。

したがって「楽しい」とは色々な意味における自己成長が不可欠であり、「楽(らく)」をしながら自己成長は得られないので、「楽しい」と「楽」は全く別物だとお分かりいただく事が出来ると思います。

老化は年齢ではなく、成長を求めなくなった瞬間から始まる

成長しステップアップやレベルアップしているときには、ストレスという痛みは不可欠な存在ですし、そういうストレスや痛みを感じている時には、「うわ~私は今成長しているぞ~~」って喜びましょう。

成長は自分の可能性をひろげてくれます。成長に年齢は関係ありません。成長を求めている限り、全ての人が成長することが出来るのです。
すなわち老化とは、年齢ではなく成長を求めなくなった瞬間から始まるのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。