いけばなも音楽も美術作品も、本物の持つ波動や存在感やパワーは、その場所に足を運んで自分の目で見聞きしないと感じる事が出来ないものです
朝から色々なところにお出掛してきた、光風流家元 内藤正風です。
神戸ゆかりの美術館で、明日から開催される「わたせせいぞうの世界展」のオープニングに行ってきました。
わたせせいぞうさんは、代表作「ハートカクテル」で、ご存知の方も多いと思います。
私自身も若いころにとても刺激を受けた漫画家と言うかイラストレーターです。
当時私は21才か22歳くらいだったと思うのですが、ハートカクテルを初めて目にしたときの、色使いや構成などから出てくるお洒落感は今も鮮明に感覚として残っています。
当時大学生の私には、本当にまばゆい様な世界感の漫画でした。
そんな青春の1ページの、わたせさんの展覧会が開催されるという事で、今日は楽しみにして行ってきました。
いや~もう一瞬にして、大学生の頃に引き戻されたかのような感覚で、懐かしいしとても楽しかったです。
わたせさんの作品を見たければ、パソコンで検索すればいっぱい出てきます。
しかし写真や画面を通じてではなく、自分の目で目の前で見るというのは、本当に楽しかったです。
本物の持つ波動と言うか、存在感と言うか、パワーと言うか、これはその場所に足を運んで、自分の目で見ないと感じる事が出来ないものだと思います。
これって実は、いけばなの作品も同じなんです。
いけばな展を開催して、都合でお越しいただく事が出来なかった方が「写真で作品を拝見します」って仰られることが良くあります。
しかしこれって作品の持つ魅力は、ほとんど伝わらないんです。
いけばなの作品は、立体造形物です。
なので写真で平面になってしまっては、立体物としての認識は絶対にすることはできません。
材料として使っている植物には、そのそれぞれが持つ素材感や匂いがあります。
写真ではこのどちらも再現はできません。
小さな作品にはその小ささゆえの可愛らしさがあります。大きな作品にはその大きさゆえの迫力や存在感があります。
写真では、大きな作品も小さな作品も同じ大きさになってしまい、その存在の可愛らしさや迫力は出せません。
LIVEがもつ迫力や空気感と言うものは、そこでなければ感じる事が出来ません。
音楽でもそうですよね、CDやDVDでいくら見たり聞いたりしていても、それは所詮記録なんです。
生の演奏や生の歌が持つ迫力や、その会場や来場者などが一体になって生み出した空気感は、その場所でなければ、絶対にわかりません。
いけばなの作品もその場でご自分の目で見て、ご自分の鼻で匂い、ご自分の全身でその空気感を感じて頂きたいのです。
是非とも皆さん、足を運んでください。
いけばな展も、コンサートも、お芝居も、美術展も、LIVEが一番です。
そんな事を改めて思った一日でした。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。