「いけばな」はお花を生ける「型」を学ぶのが目的ではありません。
こんにちは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。
今日は夕刻から、いつもお世話になっている先輩と、その先輩の経営されているお店で食事をします。
ちなみに昨日も別の先輩と「うまいもん横丁」加西店に行っていました(笑)
私はこの先輩とお話をさせて頂くのが大好きです。
世界を股にかけてお仕事を展開されている方で、その先輩と会話をさせて頂いていると、いつも色々な刺激や学びを私に必ず下さいます。
刺激や学びが有ると言っても、ことさらに難しい話をされるわけでは全くありません。
笑いに溢れながら、とても穏やかに、けれども私の心にズシッと届いてきます。
興味のない事は一時的な「学び」にしかならない
これってきっと大学の講義とは真逆の存在なんだろうなーと思います。
いや大学の授業がダメだって言っているんじゃないんですよ。
大学で学ぶ事は日本の最高学府としてレベルの高い事を教えてもらっているのだと思います。
知識として理論として、世界レベルの事を学ばせてもらっているのだと思います。
きっと今ならば、その価値がしっかりとわかるし、興味を持って授業を受ける事が出来るのだと思います。
しかし大学生当時の私には、その授業の価値がよく解らない。。。っていうか、何故それを学ばないといけないのか、その授業を学ぶ事によって得られる価値が全く理解できていませんでした。
勉強はしておいて損はないと言います。
学んだ知識は邪魔にならないとも言います。
自分の知識は盗まれないとも言われます。
けれど人って、もっともっと根本的なところで、興味がわかなければ学ぼうと思わないですし、興味ないのに学んでいても試験のために一時的に覚えているっていうだけになっちゃいます。
一時的に覚えたものは、すぐに忘れちゃいます。
はい、私自身大学で学んだ事なんて、まるっきり今残っていません。
スミマセン学費を出してくれたお父さん、スミマセン大学の教授(^^;
学ぶと言うのは、必要に迫られてとか、自分にとっての学ぶ価値が解ってからとか、そう言うことが必要な立場になってから学ばなければ身に付かないんだなーと思います。
「いけばな」は「型」を学ぶのが目的ではない
私がおこなっている「いけばな」も同じだと思います。
花を生ける「型」のお稽古ばかりをおこなっても、その「型」がどんな場面で生かしたり役立てる事が出来るのか、あるいはその「型」を学ぶ事でどんな価値(メリットや良い事)があるのかが伝わっていなければ、いくらお稽古をして頂いても身に付くものではありません。
「いけばな展に1回作品を展示する経験は、10回のお稽古に勝る」と言う言葉があります。
これは、いけばな展に自分の作品を展示する経験から得られる知識や技術の学びは、普段のお花のお稽古の10回分よりも沢山の事が身に付きますよ。と言う言葉です。
ただ漠然とお稽古をするのではなく、いけばな展に作品を展示すると言う場や機会という必要に迫られて行うお稽古の価値。
まさに先に書いた「必要に迫られて、自分にとっての学ぶ価値が解って、そう言うことが必要な立場になって」そのものですよね。
「いけばな」はお花を生ける「型」を皆さんに学んで頂くのが目的ではなく、その「型」にお花を生ける事で、どんな楽しみやライフスタイル、豊かさが広がるのか、あるいは手に入れる事が出来るのかと言う事が一番大事なのだと思います。
「いけばな」がお仕事や生活に役立つ存在であり、「いけばな」がお仕事や生活の指針や学びになってこそ「華道」の本意ではないかと思います。
さあそれでは、今夜も楽しんできます(^^)v
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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