お花はその場所の格式を作り出してくれます。なので贅沢な調度品を並べるよりも、1輪のお花を飾った方が誇れる環境を生み出すことが出来るのです
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は朝から光風流本部いけばな教室において、教室を開催しています。
お盆前には、お盆の花のお稽古などありましたが、今はチョットのんびりって感じの1日になっています。
昔は、節目にはお花が不可欠とされていました
ちなみに、お盆前にはお盆のお花で忙しかったようなことを書きましたが、近年は20〜30年前のように全ての家庭がお花を生けてお盆の設えをするような環境ではなくなっているので、お盆のお花のお稽古で忙しくて仕方がない・・・なんて状況では全くありません。
私が20代から30代のころは、お盆の前の2週間くらいの期間、各地で指導されている先生方の教室で使われるお盆のお花をご用意させて頂いたり、知り合いや友人の自宅へチョウセンマキのお生花やパンパスやハスを使った盛花や投入などを出張して生け込みに行くご依頼とで、早朝から深夜まで駆けずり回っていました。
もちろん仕事はこれだけではなく、自分の教室の開催やお花の材料の仕入れなどもありますから、お盆前の2週間くらいは1日2~3時間の睡眠しかない状態になっていました。
まあ今から考えれば色んな意味で懐かしいですし、良くやっていたよな~って我ながら思います。
お花を生けて飾るという事は、その場の「格」を表します
今や日常の中で「お花を飾る」という習慣自体がどんどん世の中から失われてしまっています。
しかしそんな中で一つハッキリと言えるのは、お花を飾りお花を愛でるという行為は、古来よりそのお家や場所の文化水準を表すものであるとともに、その場所の「格」を表すものだという事です。
そしてこれは、日本だけの考え方ではなく世界に共通するものであり、この考え方は、その人やそのお家やその会社の信頼に結びついている事であると言っても過言ではありません。
ちなみにこれはホテルで検証してみると、とても分かりやすいと思います。
チープなビジネスホテルに泊まると、生(なま)のお花なんて、どこにも飾られていません。ってか造花すらありません(笑)。
少し良いホテルだと、フロントには生のお花が飾られています。
もう少し良いホテルだと、エレベーターホールにも生のお花が飾られています。
もっと良いホテルだと、廊下にも生のお花が飾られています。
そして1番良いと言われている格式のホテルや旅館だと、各部屋に生のお花が生けられています。
これが「格」であり、世界基準なのです。
あなたが目指すお家や家族、あるいは職場は、どの様にありたいと思いますか
自分自身がというよりも、あなたは自分のお家や職場が、どのようにありたい(あってほしい)と思いますか?
お花なんて腹の足しにもならないし、そんなものにお金を使うくらいならば、自分の物を買いたいと思われますか。それとも自分の奥様やご主人、あるいは子供さんには、お部屋やテーブルに花1本飾ってあったらそれに気付き、そのお花を愛でると共にそのことから心の豊かさを感じるような人間になってもらいたいですか?
自分の職場で、玄関や応接間にお花が飾られているような環境を求めますか?それともそんな事にスペースやお金を使ってほしくないと思われますか。
お金が有るからとか無いからではありません。綺麗に生けないといけないとかも全くありません。花を生ける器がないならばコップでも良いのです。ってか100均に行けば、一輪挿しくらいすぐに手に入ります。税込み110円です。一輪挿しにお花1本挿すだけならば、その気があれば誰にでも今すぐ出来る事です。
お花がある心の豊かさ、お花を愛でることができる心のゆとりを、是非とも皆さんに持っていただきたいな〜と心の底より思います。
内藤正風PROFILE

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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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