お花はそのお家や商店や企業、あるいはその場所の民度を表します。贅沢な調度品を並べ立てていても、それは誇れるものではないのです

こんばんは。内藤正風です。

今日は8月最初の月曜日という事で、私はイオンモール加西北条の中にある神戸新聞文化センターの教室からスタートしました。

正面だけではなく横からや足元などあらゆる方向から写真撮影されていました。

今週はお盆直前の週という事で、お盆のお花のお稽古がピークになります。

お盆のお花のお稽古のピークだけれど。。。

って言っても、20〜30年前のように全ての家庭がお花を生けてお盆の設えをするような環境ではなくなっているので、お盆のお花のお稽古で忙しくて仕方がない。。。なんて状況では全くありません。(笑)

ちなみに私が20代から30代のころは、お盆の前の2週間くらいの期間、各地で指導されている先生方の教室で使われるお盆のお稽古花を組んで配達することと、ご自宅へチョウセンマキのお生花やパンパスを使った盛花や投入などを出張して生け込みに行くご依頼とで早朝から深夜まで駆けずり回っていました。
もちろん仕事はこれだけではなく、自分の教室の開催やお花の材料の仕入れなどもありますから、この2週間くらいは1日2~3時間くらいの睡眠で頑張っていました。
まあ今から考えれば、色んな意味で懐かしいですし良くやっていたよな~って我ながら思います。

お花を生けて飾るという事は、お金があるからするということではありません

今や日常の中にお花を飾るという習慣自体がどんどん失われてしまっている世になっています。
しかしそんな中で一つハッキリと言えるのは、お花を飾りお花を愛でるという行為は、古来よりそのお家や場所の文化水準を表すもので、その「格」を表すものでもあります。
これは日本だけの考え方ではなく世界に共通するもので、その人やそのお家の文化水準がすなわち信頼に結びついていると言っても過言ではありません。

これはホテルで検証してみるととても分かりやすいと思います。

1番チープなビジネスホテルに泊まると、生(なま)のお花なんて、どこにも飾られていません。ってか造花すらありません(笑)
少し良いホテルだと、フロントには生のお花が飾られています。
もう少し良いホテルだと、エレベーターホールにも生のお花が飾られています。
もっと良いホテルだと、廊下にも生のお花が飾られています。
そして1番良いと言われている格式のホテルや旅館だと、各部屋に生のお花が生けられています。

今年の1月に兵庫県いけばな協会で訪れた台湾で宿泊したホテルは、ロビーだけではなくお部屋やお部屋の洗面にもお花が飾ってありました。さすがリージェント台北。

ロビーのお花

洗面のお花

あなたが目指すお家や家族、あるいは職場は、どの様にありたいと思いますか

自分自身が、というよりも、あなたは自分のお家はどのようにありたいと思われますか?

お花なんて腹の足しにもならないし、そんなもの見ているだけで胸糞が悪くなるって考えの方は、私はお友達になれません。サヨウナラ。。

自分の奥様やご主人、あるいは子供さんには、お部屋やテーブルに花1本飾ってあったらそれに気付き、そのお花を愛でると共にそのことから心の豊かさを感じるような人間になってもらいたいですか?
もしそうであるならば、1本で良いですからお花を飾ってみましょう。

綺麗に生けないといけないとか豪華に生けないといけないなんて事は全くありません。花を生ける器がないならばコップでも良いのです。
ってか100均に行けば、一輪挿しくらいすぐに手に入ります。税込み108円です。

お花がある心の豊かさ、お花を愛でることができる心のゆとりを、是非とも皆さんに持っていただきたいな〜と心の底より思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。