暖房しているお部屋でお花や鉢植えを長く楽しむ方法 (その1) 暖房の吹き出し口には注意が必要です
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
毎日寒いですよね。私は寒いと何もする気がなくなってゆく方なので、部屋とかはしっかりと暖かくして、なんなら薄着でも快適に過ごすことが出来るくらいになっていた方が居心地がいいと感じるのです。
なので私が日頃過ごす部屋には、暖房器具、サーキュレーター、加湿器は絶対に外すことが出来ない三種の神器になります。(三種の神器って今や死語でしょうか。(笑))
人間にとって居心地の良い部屋は、お花にとっては地獄の環境だったりします。
昔は暖房って言っても火鉢が有るくらいですし、お部屋も障子やふすまで区切られているだけで壁も土壁でした。そのうえ私が記憶している感覚では、冬の寒さは以前の方が確実に厳しかったですから、そんな中で気密性も今の様に高くないお家で過ごすって、本当に寒かったのだろうなと思います。
ところで人間が暖かくて過ごしやすい環境って、一歩間違えるとお花にとってその環境が居心地いいとは限らないのをご存知でしょうか。時と場合によっては、お花にとっては地獄のようになっている場合もあるのです。
人にとって居心地の良い風は、お花にとって灼熱地獄になります
暖房器具にもいろいろありますが、エアコンで暖房をされている方、温風の吹き出し口近くにお花や鉢植えなど飾られていませんでしょうか?あるいはストーブやファンヒーターをお使いの方は、暖房器具のすぐ近くにお花を飾られてはいないでしょうか。
まあストーブのすぐ近くやファンヒーターの温風が直接当たるところにお花を飾られている方は多分おられないとは思いますが、しかし案外盲点なのが、エアコンの吹き出し口近くになります。
エアコンの風は火傷するほど熱くはないですが、かなりの温度ですので、この温風があたる場所と言うのは植物にとっては最悪です。
エアコンは吹き出し口が自動でコントロールされたりしますので、暖かい風を部屋全体に行き渡らせる為に下に向いて温風が出ています。そしてこのエアコンの下あたりが、お花とか置くのに案外都合のいいスペースだったりするので、温風がガンガン当たりっぱなしだったりする場合が多いのです。
その上にエアコンの風と言うのはものすごく空気が乾燥していますので、飾っているお花自体が水分を取られてしまって、カサッカサのパリッパリになってしまいます。ドライフラワーにでもなってしまうのではないかっていうくらいの勢いです。
つまり、人にとって居心地の良い暖かい風も、お花にとっては灼熱地獄であり乾燥地獄になってしまうという事なのです。
ちょっと気遣いをして頂き、エアコンの吹き出し口近くの様な直接温風のあたる所は避けて、お花や鉢植えなどを飾って頂くと長く楽しんで頂く事が出来ますよ。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。