日本伝統の意匠はシンプルで格好が良く、世界のアートに影響を与えているのです
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
今日は光風流本部いけばな教室において、幹部の先生方や幹部候補の方を対象にした講習会を開催しました。そして幹部の先生方には富士流しという手法を取り入れた生け方をお稽古していただいたのですが、そんな皆さんの作品を拝見しながら、「日本の伝統的なものってやっぱりカッコイイなぁ」と改めて思ったので、今日はそんなことについてブログを書きたいと思います。
生徒さんの生けられている最中の写真なので、まだ上の口は空っぽです。(笑)
日本の伝統的なものに世界中が影響を受けている
先に書いた「富士流し」という手法は、木物の枝を使って、線で富士山を連想させるように形作って生けるものなのですが、いけばなの古典的な手法というと古臭いように思われる方も多いでしょうが、実は一周回って世界の最先端だということが出来るのです。
ちなみに、日本の国際化とかって目や耳に色々な色々なところでしますが、私はある意味そんなもの必要ないって思っています。だって、すでに日本が世界からお手本にされている事って沢山あるのですから。
たとえば有名な例をあげますと、ルイビトンのモノグラムって、諸説あるうちの1つとして日本の家紋がインスピレーション源だという風に言われています。
あるいは日本の浮世絵は、クロード・モネや、ヴィンセント・ファン・ゴッホ、そしてメアリー・カサットをはじめとする画家に大きな影響を与えています。
そして現在では、漫画「MANGA」やアニメ「ANIME」はポップカルチャーとして世界共通語になっているのです。
ちなみに ”いけばな” も今では「IKEBANA」として世界共通語になっているのはご存じでしょうか。
以前は英語などで紹介するときには、flower arrangement(フラワーアレンジメント)と現地の言葉に置き換えて行なわれていましたが、いけばなは世界に例をみない日本固有のモノであるとして「IKEBANA」と表現するようになり、日本に赴任されている諸外国の大使夫人などが参加されている「IKEBANA international」という団体があり、こちらなどは世界中で活動をされている事からもお分かりいただけるように、今では多くの人々に「IKEBANA」として認知されているのです。
日本文化の特徴は、省略にこそあります
日本の文化を一言で言い表すならば、省略の文化です。不要なものを省き最後に一番大切なものが残ることにより、その本質が前面に現れ強く働くようになり印象的になるのです。
一方、諸外国の文化をひと事で言い表すと、足し算の文化です。これは油絵が分かりやすいと思います。油絵は絵の具を盛り上げて書いてゆきます。まさに足し算ですよね。しかしながら日本の襖絵や掛け軸や浮世絵は、不要なものを取り去り残ったものを誇張することによって成立しています。
なので日本の伝統的なものは、シンプルだしカッコイイのです。
日本の意匠はシンプルでかっこいい
今では使われる機会が減ってしまった ”風呂敷” や ”手ぬぐい” ってムッチャ格好いいのをご存じですか。
そのデザインは日本独自の意匠が施され、ハッキリ言って古臭いのではなく現代アートに負けない美しさがあると私は思います。
なので私は、風呂敷や手ぬぐいをはじめとする日本の伝統的なものを、デザインとして是非とも日本の皆さんに目を向けて頂きたいと思うのです。日本の伝統的なものが持つ秀逸性や魅力に触れて頂ければ、必ず皆さんのお気に入りが見つかるでしょうし、今以上に日本の文化が好きであると共に誇りに思っていただくことが出来るようになると思います。
日本の意匠の素晴らしさを、ぜひ生活の中で楽しんでみませんか。
内藤正風PROFILE
-
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。