「展覧会形式の勉強会」の作品解説は、お越しくださっている相手に心の矢印を向けているからこそ、それぞれの方に合わせた解説になるのです

「上手な話し＝伝わる」ではない
心の矢印が、自分を向いているか相手に向いているか
心が相手に向いていれば、相手が変われば話も変わる

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

今日は午前中と午後、研究会を開催しました。その中の午後からの研究会において、来週末に開催する「展覧会形式の勉強会」における、作品説明を担当していただくときに是非とも注意していただきたいことについてお話をさせていただきました。
一言で言うならば「心の矢印を相手に向ける」ことの大切さということなのですが、ブログでもそのことについて少し書きたいと思います。

「上手な話し＝伝わる」ではない

解説とか説明って言うと、上手に話をしないといけないとか、毎回同じようにしないといけないと思われる方も多いと思いますが、実はこれって大きな間違いだと私は思っています。

私は興味のある講演には伺うようにしています。そんな中、有名な講師の方だと色々な機会に同じ方の講演を２度３度聞く機会があったりするのですが、そういう方の中には会場にいるお客様の層に関係なく、全く同じお話を全く同じように、いうなれば録音を聞いているかのようにお話される講師があります。
おっさんの多い会場、おばさんの多い会場、自己啓発をしようとされている方が多い会場、お話を聞く方が違うのにです。
そんなときは会場で眠っている人が多かったり、隣の人とヒソヒソお話をされている人がおられたりして、聴衆を惹きつけているという状態では全然ないんです。

では逆に、私が強烈に印象に残ったり記憶から離れない講演ってどんなのだろうと思って考えると、ぼくとつとしたしゃべり方でも思いに溢れていた方のお話や、聞き手に意識を向けて聞き手に寄り添った講演をされた方のお話などは、今でも記憶に残っていたりします。

心の矢印が、自分を向いているか相手に向いているか

上手に話すという事って、実は極めて利己的な意識だと私は思っています。なぜならそれは、自分が思う上手な話し方をしようとしている事と、上手にしゃべったという満足感を得たいという、心の矢印が相手ではなく自分自身に向いているという事に他ならないからです。

目の前に居る方を喜ばせたいとか満足させたいという思いがあれば、まず相手の顔を見ると思うのです。そして自分が話している事が伝わっているかどうか、理解していただけているかどうかを感じようとすると思うのです。そんな時に話し方が上手か否かは、意識の上では二の次三の次に自ずとなってくると思うのです。

心が相手に向いていれば、相手が変われば話も変わる

伝わるというのは上手に話をしたから伝わるのではありません。伝えたいと思う気持ちを込めて話したからこそ伝わるのです。そして伝えたいというのは、自分の目の前にいる「あなた」に伝えたいということにほかならず、相手の目や顔を見て「あなたに伝えたいのです」という行動を起こすからこそ伝わるのです。

来てくださっている方の興味があるお話をして差し上げたい。来てくださっている方に役立つ情報を差し上げたい。来てくださっている方を喜ばせたい。という意識と行動こそが何より大切なのです。
そのためには会場にお越しくださっている相手が変われば、話の骨子は同じであっても、取り上げ方や切り口や肉付けが全く違ってくるのが当然だと私は思うのです。
なので解説を行う人とお話をお聞きくださる方との掛け算で、お話の内容は無限にバリエーションが広がるのです。

今日お話をさせていただきながらそんな事を改めて意識する機会になったので、自分の忘備録になればと思い今日のブログで取り上げてみました。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。