平成最後の「歌会始」が今日開催され、私も平成31年お題「光」をお花で表現してみました

こんばんは。内藤正風です。

今日は皇居において新年恒例の「歌会始の儀」が執り行われましたね。
まあ世の中の多くの人がもしかしたら知らないかもしれないですが。。。。。

歌会始というのはウイキペディア先生によると

歌会始(うたかいはじめ)は、和歌(短歌)を披露しあう「歌会」で、その年の始めに行うものを指す。現在では、年頭に行われる宮中での「歌会始の儀」が特に有名。

となっており、前の年にこの歌会始の”題”が示され、この言葉を織り込んで歌を詠む様になっています。
ちなみに今年平成31年のお題は「光」でした。


今年の歌会始

平成31年 歌会始の儀 御製

宮中歌会始で披露された、天皇皇后両陛下の御製を次にご紹介させて頂きます。

天皇陛下
贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に

皇后陛下
今しばし生きなむと思ふ寂光に園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく

皇太子殿下、皇太子妃雅子さまのお歌は次の通りです。

皇太子殿下
雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰(きんぷ)の峰に

皇太子妃雅子さま
大君と母宮の愛でし御園生(みそのふ)の白樺冴ゆる朝の光に

私などがこんな事を言うのははなはだ僭越なのですが、平成最後の歌会始と思うからなのかしれませんが、それぞれにそのお心の内が読みこまれているように感じ、心にグッときました。

和歌は日本文化の縦糸というべき存在です

日本文化においてこの”和歌”と言うのは全ての伝統文化に影響を与えている存在で、古来より日本文化の流れをつないできているものと言うことが出来ます。織物にたとえるならば縦糸と言うことが出来るでしょう。

たとえば和歌があったから”ひらがな”が生まれたし、和歌を書く事から”書道”が発展する基になり、文学においても日本の古典文学の最高峰と言われる「源氏物語」の中では数多くの和歌が詠まれていますし、能や歌舞伎、文楽などにも和歌が出てくる演目が沢山あります。
茶道の精神を表すのにも和歌が使われていたりもしています。
まあこの話は書き始めると長くなっちゃうのでこのくらいにしますが、とにかく日本文化における和歌はとても大切な存在なのです。

私も平成31年お題「光」を ”いけばな” で生け表しました

”いけばな”にも、この歌会始のお題をお花を使って生け表すという伝統があり、私ども光風流においても毎年行っています。
なので私もこのお題「光」をお花で表現してみました。

 

この作品は、光が持つ煌めきや拡散する力や到達する勢いを表現したいと思い生けました。
若松を中心としながら作品全体的な構成で、光が放射状に拡散していく様子や勢いをイメージし、その中に黄色のオンシジュームを配して煌めき感を、そして赤色系の花を使う事で光のもつ強大なパワーを表しました。

私達地球上のものは全て、太陽からの光のお蔭で命をつなぐことが出来ています。そして私達人間にとって希望と言う光があるからこそ夢を語ったり頑張ろうと思ったりして日々の営みを行なう事が出来ているのだと思います。
光は私達にとってどんな側面から見ても無くてはならない物で、そんな大きな存在である光を表現したいと思い生けました。
いかがでしょうか。

花材・・・ワカマツ(枝物)、オンシジューム(黄色)、アンスリューム(赤色)、ストック(薄いピンク色)、ナデシコ(濃いピンク色)、ドラセナ・ゴットセフィアーナ(葉物)、加工枝(銀色)
花器・・・陶器製変形壺
敷板・・・変形花台

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。