いけばな展の作品作りでは、見てくださる人に自分のイメージや意図をいかに届け伝えるかという事が大切です

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

来月「光風流いけばな展」を開催します。

このいけばな展は毎年開催しているもので、今年は8月に開催いたします。

日程は、8月26日(土)~27日(日)の2日間。
そしてこの前日の25日(金)には「生け込みLIVE」を行います。
「生け込みLIVE」っていうのは、普通いけばな展って出来上がった作品を皆さんにご覧いただくのですが、結構作品の出来上がる過程に興味を持たれる方が多いので、それなら一層の事 ”この日に作品を会場で作り上げているので、興味ある人はご覧になりに来てください~!!” って公開して「生け込み」を行うようにしたのです。

いけばなの作品作りで一番大切なのは「イメージ」

いけばな展では、作品を展示する全員が自分なりのイメージを持って作品作りを行います。
これはどんな作品にも例外はありません。
古典的な作品、現代的な作品、自然的な手法の作品、造形的な手法の作品、大きな作品、小さな作品、全てがそうなんです。

そんな中で、私が皆さんにいつも申上げている事があります。
それは「自分が思っているイメージが、相手に伝わって成功」と言う事です。

作者のイメージや意図などが見る人に伝わらなければ、作品が出来ていないのと同じ事

単純に言うならば、「自分の持つイメージを形にする。」ということは「自分の持っているイメージを見ている人に伝える。」ということです。
自分がいくらこれは完ぺきだ!!私って天才じゃない??って思うほどの作品が出来上がったとしても、見ている人にそのイメージが伝わっていなければ、出来ていないのと同じ事なのです

自分が意図したこと、例えばメッセージ性であったり、風景や景色を連想させると言う事であったり、四季折々の歳時や風物であったり、作品から受ける迫力や可愛さ、どんなことであろうと相手に伝わらなければどんな素晴らしいイメージも意味がなくなってしまうのです。

もっと言うならば、相手に伝わらないイメージはただの自己満足であり、作者の意図とは関係なく見ている人が感じたものがすべてだと言えるのです。

作品を作られている皆さんにアドバイス

いま、光風流の人でこのいけばな展に作品を展示する皆さんは、イメージづくりに余念がないと思います。
そんな皆さんに一つアドバイスを。
それは、イメージは抽象的にした方が皆さんに伝わりやすいです。

イメージとは最大公約数が連想したり感じたりするモノと言ってもいいでしょう。
写実的にすればするほど陳腐に見えてしまうのです。
すなわち伝わりにくいって事です。

いけばな作品は、自分の手から紡ぎだす作者の分身と言ってもいい存在と私は考えています。
作者の歩んできた人生、価値観、人間的魅力、ありとあらゆるものがそこには含まれているのです。
光風流いけばな展に作品を展示してくださる皆さんが、1人でも多くの人に自分のイメージや意図が伝わる作品を作り上げてくださる事を、心より願っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。