遠いとか近いと言う事は、人と人の繋がりや信頼関係に関係のない世の中になっている
こんばんは。
昨年の9月に中国からいけばな留学で、1年間来日されていた生徒さんが一時帰国されるので、その送迎と見送りで関空に行ってきた、いけばなの光風流家元 内藤正風です。
一年ってあっという間ですね。
昨年の9月21日に来日され、期待と不安が入り混じった中でスーツケース2つを持って光風流本部に初めて足を踏み入れられた時のお顔が昨日の事のように思い出されます。
来日以来、毎日いけばな三昧で、当初の目的である「師範の資格取得」をこの一年間でしっかりと達成され、いけばなの知識や技術だけではなく、いけばなの本質の理解や日本文化の理解まで深く見聞を広げられました。
師範として私が自信を持って皆さんにご紹介させて頂く事が出来る存在となられたのは、留学生の熱意と研究心と頑張りの賜物であると思っています。
留学生とはこの1年間、ほぼ毎日顔を合わせていたので、昨年から今年に掛けては世の中の誰よりも交流が深く、もう気持ちの上では家族の一員としての存在になっています。
そんな中、帰国されるという話になると「寂しいでしょう?」って皆さん仰って下さるのですが、そんな気持ちがあまりしないのは今の時代だからなのかなぁと思っています。
遠いとか近いと言う事は関係のない世の中になっている
どういう事かというと、決して留学生に対して気持ちが無いと言う事ではなく、今と言う時代は遠いとか近いと言う事は関係のない世の中になっているからです。
日常の様子はFacebookや中国版のFacebookともいえるWeChatでお互いにいつでも見れますし、連絡がしたければ電話やメールなどでいつでも連絡が取れます。どうしても会う必要があれば朝、飛行機に乗ればその日の内に会う事が出来ちゃうという環境に今はあるという事が、ことさら寂しいという気持ちに振り回されるようにならずに済んでいる大きな原因だと思います。
「遠くの親戚より近くの他人」と言う言葉があります。
この言葉の本質は、日常の関わりの多い少ないが、人と人の繋がりの深さを作っているという事を言い表しています。
いくら親戚と言っても、遠くにいて日常の繋がりが無い人とは、段々関係も薄くなってきてしまいますが、赤の他人であっても、毎日顔を合わして付き合っている人とは関係が深く強くなって行くって事です。
以前は「距離」=「関係の深さ」と言う構図が成り立っていましたが、今ではネットの普及やスマートフォンの普及、移動手段の多様化と低価格化によって、距離と言う事はあまり関係なくなってきています。
それよりも今は、このネットやスマートフォンを使って日頃から相手の情報を見たり、連絡を取り合ったり、またそういう機会をいかにして増やすかという事が、どれだけ関係を近いものにし繋がりを強くするかという事の大きな要因になっていると思います。
お互いにスマホを持っていれば、距離感は関係なくいつでも繋がれますし、相手が何をしているか相手が何を考えているかいつも分かっている状態になる事が出来ます。
人との繋がりや信頼を強く大きくするキーワードは日頃の関係です。
そう考えると現在における人と人との繋がりの深さや信頼関係の構築に必要なのは、自分の近況をいかにして相手に伝えているか、自分の連絡が誰かからの口伝えではなく相手にちゃんと直接伝える事が出来ているかどうかという事が重要なのだと思います。
どんなに大切な人だ、好きな人だと言っていても、交流が無くなってゆけばそれに比例して関係や繋がりがも薄くなっていっちゃいます。
今回のいけばな留学で育んだ繋がりや信頼を、今と言う時代だからこそ存在しているネットやスマホと言うツールを活用しながら、もっともっと大きく育ててゆきたいと思います。
ま、帰国って言っても一時帰国ですので、私の訪中や生徒の来日も有りますので、数ヶ月以内にはまた会いますから。何よりもこれが一番大きい原因かもしれません。
(笑)(笑)(笑)
なので今日は空港で、笑顔で「行ってらっしゃい!!!」って見送ってきました。
私のこれからのウキウキワクワクが、また一つ増えちゃいました。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。