奈良の東大寺で思った、想像を超える大きさの意義とその果たす役割について
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
先週末は先輩や友人の皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしてきました。
とはいえ、単に楽しければ良いというだけの会だけではなく、公と私、真面目と楽しいの両面の魅力に溢れた週末になりました。
コロナで2年間開催できなかった「還暦の会」に先立って行なった春日大社の公式参拝も記念になる時間でした。
本殿は撮影禁止なので公式参拝後に集合写真を撮影したのですが、緊張感の後のホッとしている感じがお分かりいただけますでしょうか。(笑)
「大きい」という事の意義を考える
今年の光風流いけばな展では、展示するすべての作品の大きさを間口5mの超大作にしています。
そのような中での春日大社の公式参拝であり、翌日は東大寺の大仏殿や二月堂や三月堂、そしてミュージアムの拝観を行ないましたので、大きいということの価値や意義を改めて感じたり考える機会になりました。
春日大社も東大寺も共通しているのは、全てが大きいという事です。敷地が広い、個々の品が大きい、建物が大きい。
東京タワーやスカイツリー、あべのハルカスというような高層建築を見ている私たちが見ても、東大寺の南大門や金剛力士像、大仏殿や大仏なんて「うわ〜!!」って思う大きさなのですから、大東亜戦争前くらいまでの高層建築なんて世になかった時代にこのサイズの建物や仏像なんて目にした日には、あんぐり口が開く、うわぁ〜と声が出る、腰抜かす、という行動になったんだろうなぁということは簡単に想像ができます。
そして科学も今ほど発展していない、そして情報は偏っているという中で、人々が、力を感じたり、畏れたり、お陰を感じたり、敬ったりということを万人が感じたのは間違い無いと思います。
つまり、想像を超える大きさというものは、それだけで様々な「力」を内包しているという事にほかなりませんし、見た人が何か見えない力や大きな存在を感じるということなのだと改めて思う機会になりました。
古来より、なぜ想像を超えるような大きなものが作られてきているのか
古来より人が想像を超える大きなものを作ってきたのはなぜだろうと考えた時に、神仏の共通点である教えを伝えるという「伝教」や「布教」に関連すると私は思うのです。
仏教にしろ神道にしろ、目に見えない「教え」と言うものを人々に伝えることを行なっています。その内容は家内安全であったり国家安寧であったりと大きなものから小さなものまで様々ですが、人としての有り様や指針を指し示しているのは間違いありません。
つまり目に見えないものの存在や力や価値を一番分かりやすく伝えるには「大きさ」こそが一番手っ取り早く分かりやすいと言う事なのだと思います。
“いけばな“ も、知識や技術、そしていけばなを通じた人としてのあり様という目に見えないものを行なっていますので、その意味ではその流派としての教えを後世に伝えると言う事を行なっているのですから、共通している部分もあるなぁと思います。
この度の光風流いけばな展は、足を運ばなければその魅力を感じていただくことができません
迫力は写真や動画では伝わりません。だって大きなものも小さなものも同じ画面の中に存在してしまうのですから。(先の東大寺の写真で迫力伝わらなかったでしょ(笑))
その意味で言うと、大きさはリアルだからこそ伝わる要素に他ならないのです。大きいからこそ備わる迫力であったり、小さいからこそ生まれる可愛らしさと言うことです。
つまりこの度の光風流いけばな展は、写真で見るのではなくその場に足を運んでご覧いただかなければ、本当の意味で作品の魅力を感じ楽しんでいただくことが出来ないいけばな展だと言うことができます。
奈良の東大寺に行くような気分で、食事や観光なども含めて行程を設定してみてはいかがでしょうか。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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