○○でなければイケナイという思い込みこそが、本質が見えなくなる元凶です
こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
先月末に開催した展覧会形式の勉強会の感想をお聞きし、その中で思った「変革は自ら出来ればよいが、外圧こそ変革の好機だ」という事について今日は書きたいと思います。
コロナ禍がもたらした「思考を変える」ということ
この度のコロナ禍では、みんな本当に大変な思いをしました。
お仕事を失った方、家族を失った方、挙げればきりがないほど沢山のものを失いました。
そんな中で、失ったものもありますが得たものがあるのも事実だと思っています。私で申し上げるならば「変革」です。
いけばな教室やいけばなのイベントのようなとにかく一人でも多くの方にお越しいただくスタイルのものは、感染防止のために人を集めてはいけなくなり、これまでの形では開催することが出来なくなりました。これまでの普通が普通ではなくなった瞬間です。
そんな中で何かを行なおうと考えると、出来る事をとにかく見つける事から始めるしかありませんでした。すなわち外圧による変革のキッカケになったのです。
○○しなければイケナイ。○○でなければイケナイ。
先に書いた展覧会形式の勉強会なども正にその通りでした。
これまでは一人でもたくさんの方にお越しいただく事が出来る様に行なっていました。というと格好よく聞こえるかもしれませんね。正直に言えば30年前と全く変わりないやり方を前例踏襲でそんなものだと思って毎年行ってきていました。今から考えると思考停止以外の何物でもなかったと思います。
○○でなければイケナイ、という考え方をしてしまっていたのです。
しかしコロナ禍で、これまで行なっていた形では開催することが出来なくなり、とにかく開催出来る様にするために少人数制や完全予約制などを導入して開催しました。いうなれば苦肉の策です。会場設営や当番も出来るだけ少人数で短時間になるようにも改革しました。
ある意味「しゃあない」から導入した手法なんですが、これが関係される皆様には大好評で、以前の方法にはもう戻ることはありえなくなりました。
「型」に囚われるから、本質が見えなくなってしまう
人って型あるものは、その型にこだわる人が多いですよね。まさに私も展覧会形式の勉強会においてこれまでの何十年間も型に囚われてしまっていたのです。
これ実は、いけばなの作品も同じなんですよね。
いけばなには「型」があります。しかしこの「型」はお花を生ける行動を制限する外枠ではなく、逆に「型」を核として行動の範囲を広げるためのものなのです。
すなわち「型」を学ぶ事を通じて、何故その「型」が定められているのかという「本質」を学ぶことが大切なのです。
「本質」を理解するから行動が自由になるし、自由なんだけれども大きな間違いを起さなくなってゆくことが出来るのです。
目の前で繰り広げられている事は単なる事象です。いうなれば単なる枝葉なのです。枝葉は風が吹けば揺れ、冬になれば葉を落とし、常に姿を変えています。そこには物事の本質は無いのです。
枝葉から目を移して太い枝から幹に目を移し、根元や根っこに目を移すように意識すれば、本質を感じる事が出来るようになります。
何事によらず、目に見えるものに囚われないことが一番大切なんだなーと、この度の展覧会形式の勉強会の感想をお聞きして改めて思う機会になりました。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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