せっかく日本に生まれたのだから、日本人のもつ感性で四季や歳時を満喫しなければ勿体ないと思うのです

こんにちは、内藤正風です。

夏と言えば鮎。という事で、先日、若鮎料理を堪能しに行ってきました。

こちらのお店は「美加登屋」さんといい、東京で以前に出されていた支店は「ミシュラン」に掲載されていたほどの名店で、日本中でもこれだけの鮎料理をいただくことができるのはココだけです。

「ならでは」を楽しむ贅沢

私は折角日本に日本人として生まれたのですから、四季折々の風情や景色、食べ物などを楽しまないと勿体ないと思うのです。
この思いは年齢を重ねるごとに、なおさら強く思う様になってきました。

例えば朝早く起きて屋外に出て、まだ夏の暑さが宿る前の清々しい空気を感じたり、夕刻の空の雲から夏の匂いを感じたり、そういう日常の何でもないような中にちょっと現れてくる風情に触れたり、その季節ならではの食べ物を戴いたりすると、何かすごく得した様な気分になったり豊かな気持ちになり贅沢だなぁ~って感じるのです。

「四季」は日本の特徴の様に言われているけれど

日本の特徴として「四季がある」とよく言われます。しかしこれってよく考えてみると、日本と同じ緯度にある地域には全て四季があるので、四季が日本の特徴だなんてことは無いんですよね。
同じ緯度に有れば、アメリカにも中国にも韓国にもヨーロッパにも四季は存在しているのです。

ではなぜ日本人は老いも若きも「日本には四季がある」というのか考えてみたのですが、これって日本人の季節などの感じ方に特有の感性があるという事だと思うのです。
すなわち四季の中で農耕を営み、お祭りや歳時などを行なってきたという事が、大きな原因になっているのです。

日本人は季節と共に生きてきたのです

日本の文化は全てが四季と密接に結びついています。
例えば春のお祭りは収穫を祈願するようなモノが多く、夏のお祭りは暑さに負けない様に無病息災や厄除けを、秋のお祭りは収穫祭的な位置づけのものが多い事からもわかると思います。

そしてその時期時期の旬の食べ物を楽しみ、季節によって咲く花が変わるのを愛で、打ち水をして夏を楽しんだり雪見酒をしながら冬を楽しんだりするというように、四季を生活の中の一部として楽しみながら完全に文化として確立されているのです。

自然に畏敬の念を払うと共に一体となって国造りを行なってきた日本人

日本人は八百万(やおよろず)の考え方により国が作られてきました。すなわち全てのものに精霊が宿るという考え方であり、全てのモノに敬意を払い大切にするという事です。

そんな日本人だからこそ、木々が芽吹いたり花が咲いたり紅葉したり、鳥のさえずりや雪や雨、雷までも、身近な存在として捉えたのだと思います。
すなわち日本の四季は、日本人の豊かな感性が文化として昇華させ、世界に例を見ないものになったのだと思います。

せっかく日本人に生まれ日本に住んでいるのですから、もっともっと日本の四季を意識すると共に楽しまないと勿体ないと思います。
これから夏本番でまだまだ暑くなりますが、暑いからこその楽しみも沢山あると思います。

決して贅沢を推奨しているのではありません。その季節ならではの旬のものをいただく、あるいは暑いからこそ谷川のせせらぎを感じに出かけたり、夕刻の日陰で頬をつたう風の涼しさを感じたり、身の回りに兆しや楽しみは無限にあるのですから。
「ならでは」に目を向ける様にすると、日常や人生が今以上に楽しいものになると思いますよ。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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