人はついつい目につくものに気を奪われますが、実は目に見えないところにこそ大切なものがあるのです

おはようございます、内藤正風です。

今日も朝から雨。その上私ども光風流本部いけばな教室のある兵庫県加西市は朝から「竜巻注意」なんて出ています。

いけばなをお仕事に役立てようとしてくださる皆さんがおられます

昨日のいけばな教室では、商店や会社を経営されている方たちのクラスを開催しました。

このクラスは経営者の皆さんばかりですので、皆さんの会話は情報発信のことであったり、経営についてであったり、世の中の動きと今後についてであったりと、教室の雰囲気はさながらビジネスセミナーみたいな感じです。
そんな中で1つはっきりといえるのは、お越しくださっている皆さん全員が「いけばなをお仕事や日常生活に役立てよう」としてお越しくださっているという事です。

教室ではすべての方がいけばなを楽しもうとしてくださっているのは言うまでもありません。そしてその上に、お互いにお話をしている中で情報交換をされていたり、お稽古したお花は店舗や事業所に生けて環境づくりの一助としてくださっていますし、いけばなからの学びをお仕事に当てはめたり置き換えて役立ててくださっています。

いけばな作品では空間が大切です

昨日の教室でお稽古して頂いたときに「いけばなの作品では目に見えるお花に目が奪われがちになりますが、目には見えない”空間”の働きこそが大切です」というお話をさせて頂きました。

いけばな作品にはバランスや調和が欠かせません。
ではバランスや調和ってなにかというと、作品の”釣り合い”とか”整い”という事になるのですが、この”釣り合い”や”整い”のポイントになってくるのは「空間」になります。

「空間」には何もありませんし何も見えません。しかしながらこの空間があるからこそ1本1本のお花が生きてくるのです。あるいは空間があるからこそ長短が引き立つのです。

最初は目に見えるお花そのものに意識が行ってしまいます。それは当然のことです。だって見えているんですから。
最初はそれでいいのですが、いつまでも見えているものに捕らわれてしまうのではなく、目には見えない空間の働きを見ることが出来るようになっていくことこそが、より良いバランスや調和を見出すポイントになるのです。

日常生活やお仕事でも、目前で繰り広げられていることに目を奪われていませんか

空間、すなわち、目に見えない物の働きが大切という事で考えると、日常生活やお仕事でも同じことが言えるのではないでしょうか。

たとえば今、緊急事態宣言が発出され、そこばかりに目が行きがちですが、これって実はただの事象であって本質ではないという事です。
緊急事態宣言が発出された~大変だ~。。。○○が出来ない。○○がキャンセルになった~~。。緊急事態宣言はいつまで続くのだろう。。。などなど、確かにこれらは重要です。
しかしながら本当に大切なのは、目の前には表れていない緊急事態宣言の後に何をするかという事であったり、いま出来ることを模索したり行動する事のほうが何倍も重要なことだと思うのです。

いけばなでも日常生活でもお仕事においても、人はついつい目の前のモノに気を奪われてしまいがちになりますが、実は目に見えないところにこそ本当に大切なものが存在しているのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。