人は目に前の事についつい気を奪われてしまいますが、実は目に見えないところにこそ大切なものがあるという事を ”いけばな” で学ぶことが出来ます

こんばんは、内藤正風です。

今日は朝から光風流本部いけばな教室で、終日教室を開催しながら、生徒さんの居られないときに事務をゴソゴソしています。
いや~、しないといけない事務がわんさか溜まっているので、やりがいがあるというか、やってもやっても終わりが見えないというか。。。(笑)

いけばなをお仕事に役立ててくださっている皆さんがおられます

昨日開催した神戸のいけばな教室では、商店や会社を経営されている方たちのクラスを開催しました。

このクラスは経営者の皆さんばかりですので、皆さんの会話は情報発信のことであったり、経営についてであったり、世の中の動きと今後についてであったりと、教室の雰囲気はさながらビジネスセミナーみたいな感じです。
そんな中で1つはっきりといえるのは、お越しくださっている皆さん全員が「いけばなを楽しみながら、お仕事や日常生活にも役立てて下さっている」という事です。

教室ではすべての方がいけばなを楽んでくださっているのは言うまでもありません。
そしてその上に、お互いにお話をしている中で情報交換をされていたり、お稽古したお花は店舗や事業所に生けて環境づくりの一助としてくださっていますし、いけばなからの学びや気付きをお仕事に当てはめたり置き換えて役立ててくださっています。

いけばな作品では目に見えないところが大切です

昨日の教室で、枝を留めるときに気を付けるポイントについてお話をさせて頂きました。

いけばな作品にはバランスや調和が欠かせません。
ではバランスや調和ってなにかというと、作品の”釣り合い”とか”整い”という事になるのですが、この”釣り合い”や”整い”を持たせるために重要なのは「イメージの通りに枝を留める」という事です。

思ったところに枝を留めようと思ったら、目の前に見えている枝自体に意識が皆さん向くのですが、枝を思った通りに止めるためには足元の剣山や七宝に挿す部分に意識を向ける必要があります。
すなわち目立たない足元に目を向けて、思ったところに枝が来るように固定する方法を考えることが大切なのです。

最初は目に見えるお花そのものに意識が行ってしまいます。それは当然のことです。だって見えているんですから。
最初はそれでいいのですが、いつまでも見えているものに捕らわれてしまうのではなく、見えていなかったり意識していない部分に注意を向けることが出来るようになっていくことこそが、より良いバランスや調和を生み出せるようになるポイントになるのです。

日常生活やお仕事でも、目前で繰り広げられていることに目を奪われていませんか

目に見えていない事が大切という事で考えると、日常生活やお仕事でも同じことが言えるのではないでしょうか。
たとえば、○○が出来ない。○○がキャンセルになった~~。。予定と違う事が起こってしまった。。。などです。
確かに今目前で起こっていることに対処するのは大切です。しかしそれと共に、その原因となる大元を探して目を向け、いま出来ることを模索したり行動する事のほうが何倍も重要なことなのです。

いけばなでも日常生活でもお仕事においても、人はついつい目の前のモノに気を奪われてしまいがちになりますが、実は目に見えないところにこそ本当に大切なものが存在しているのです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。