TOBARIというフレグランスから感じた、バックボーンの大切さと人は物を買っているのではなく物語を買っているのだという事

こんにちは、内藤正風です。

今日は午前中は教室を行ない、午後からは事務をしています。
そんな中、先日注文していたものが届き、ウキウキしています。
何が届いたのかというと、これです。


TOBARIというブランドのフレグランスです。

 

そのバックボーンに惹かれて買ったフレグランス

香水って普通はその匂いに惹かれて買いますよね。ところがこのTOBARIのフレグランスは、そのバックボーンを見て興味を持ち、気に入ったので購入しました。

たとえば、「SPRING SNOW(スプリングスノー)」というオールドパルファンはこんな感じの香水です

優美に秘める冷静

女性のみを演じる俳優として真の女性を表現した、歌舞伎界を代表する女形の最高峰、歌舞伎役者、六代目中村歌右衛門。
幻想的な<優美>さと、静かな<冷静>さを持ち、性を超越して女性の美しさを見事に表現した。
世界的な作家“三島由紀夫”はその美しさを称賛し、共に歴史に残る作品を残した。
スターとなった後も自身に奢ることなく、人に対し非常に柔らかく丁寧な言葉と物腰で冷静に立ち振る舞い、人格者としても多くの尊敬を集めた。
性を超越した美しさで舞台に生涯を通して立ち続け、春の日に満開の桜が庭に咲き誇る中、季節はずれの粉雪が舞い散る彼の存在を象徴するような幻想的な日に、その生涯を閉じた。

NOTE:JAPONISM INCENCE WOODY
無数に咲き誇る<優美>な桜と、<冷静>に規則正しく舞い降りる季節外れの粉雪。
白く輝く白檀のなめらかさが、鬱金桜の花々をさらに上品に彩り芳醇さに深みを与える。
春の日に舞い降りる季節外れの雪のような幻想的な香り。
※TOBARIのHPより

実物を匂ってみなくても、このフレグランスを使ってみたい!!って思ったんです。

 

あるいは、「CYPRESS MASK(サイプレスマスク)」というオールドパルファンはこんな感じです。

気品に秘める狂気

娯楽であった能を芸術の域まで高めた究極の芸術家、”猿楽師、世阿弥“。
優雅な<気品>と、芸を極限まで追求する<狂気>をもち、生涯を芸に捧げて追求し続けた。
檜で作られた能面をつけ、舞台の上で静かに気品高く舞い、人々を圧倒した。
芸を究極まで追求し、人や動物を演じるだけに留まらず遂には目に見えない“霊的な存在”を演じるまでにつきつめ、全く新しい能である“夢幻能”を生み出し、まさに変幻自在にその姿を変えた。
舞台上での気品の舞に秘めた、凄まじいまでの芸に対する狂気的な拘り。檜の面をつけた、真に芸の極める者。

NOTE:JAPONISM TRADITION WOODY
<気品>高く静かに舞う檜、<狂気>のごとく変幻自在に研ぎ澄まされた芸術。
サフランやナツメグのスパイス達の刺激がシダーウッドと複雑に絡み合い、気高い香りの芸術が優雅に舞い踊る。
※TOBARIのHPより

世阿弥の世界観を表現されたフレグランスを体験したくなりました。

 

他にも「IRON WIND(アイアンウィンド)」というオールドパルファンはこんな感じです。

強さに秘める情愛

未来を切り開き、歴史を動かして世界を変えた英雄、“武将、織田信長”。
圧倒的な<強さ>と、どこまでも深い<情愛>を持つ。
鋼鉄の鎧をまとって自ら先陣に立って張り詰めた空気を切り裂き、敵対する数々の軍勢を打ち破り、“魔王”と人々に呼ばれ、強靭なまでの強さで敵に恐れられた。
その異名とは裏腹に、領民達を労わるために祭りを催し、女装しておどけながら皆と歌い踊り持て成し、自身の家来達や国の人々までも喜ばせて気遣う情愛深い一面を持っていた。
鉄の風を纏い、激動の時代を生きて世界を変えた、革命的英雄。

NOTE:JAPONISM AROMATIC WOODY
鋼鉄が空気を切り裂き生まれる<強き>風、大地のごとく深い<情愛>。
上質なサフランと貴重な沈香の不調和を超越した調和。官能的なオリスがさらに力強さを与える。
独創性に満ちた、木々の香りの新たなる創造。
※TOBARIのHPより

信長好きの私としては、絶対に身に纏いたいフレグランスです。

こんな風に今回買ったのは6種類のフレグランスが入っているのですが、香りなんて1mmも匂っていません。匂わなくてもこのそれぞれの香りを作りあげるうえでのイメージやバックボーンを聞いただけで、もの凄く興味をそそられたし、とても気に入ったのです。

人はそのもの自体よりも、その後ろにある物語に興味をもつ

今回改めて思いました。人はそのもの自体よりも、その後ろにある物語に興味をもつという事を。

私ども光風流では、年に1度ずつい開催している流派のいけばな展の時に、作者自身が作品について語っている動画をご覧頂く事が出来るようにしているのですが、これを行なうようになったヒントは、美術館にあります。
私自身が美術館に行って作品を見るときに、全く何の事前情報のない状態で作品を見た時と、事前に学芸員の方から作者についての生い立ちや時代背景などをはじめとするバックボーンをお聞きして知った状態で作品を見た時とでは、興味も楽しさもマルッきり違うという経験を度々していて、そういう中で、いけばな展も作品についてのバックボーンを知ることが出来れば、もっともっと楽しんで頂く事が出来る催しに出来るはずだと思って始めたのです。

いけばな展では普通は展示されている作品を見て終わりです。しかし作品の意図、作者の生い立ち、作品作りの苦労などを知る事によって、作品の見え方や見方、あるいは感じ方まで変わってくると思うのです。
そしてそれは作品自体の魅力だけではなく、作品の後ろに隠れている事柄に人は興味をもつという事だと思うのです。

人は人に興味があるし、物語に興味がある

結局のところ、人は「物」には興味ないんだと思います。

いけばな展にお越しくださった方のうち、何%がいけばなの作品だけを見に来られているでしょう。
わたしは大半の方が、○○さんが作品を展示しているから見に行こうって感じの動機だと思うのです。
そう考えると「物」ではなく「人」であり、その人による(その人との)「物語」に価値を感じておられるのだと思います。

なのにそんな中で、作品の大きさや作品を作るための手法や使っている材料に焦点を当てても、誰にも興味を感じて頂けないと思うのです。
それぞれの方が積み重ねてこられた作品作りの物語、すなわち作品作りの過程にこそ興味を持ったり魅力を感じて頂く事が出来るのです。

そんな事を新ためて思った1日でした。

 

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。