自分が思うほど私達の発信は見られていないし、気にもされていないという現実に気づいていますか

こんばんは、内藤正風です。
今日は”雑節”の1つの「入梅」ですね。朝から皆さんの投稿を見ていると広い範囲でお天気が悪く、さすが日本に古くから伝わっている”雑節”だな~と妙に感心していました。

そんな中、私はというと、行くところ行くところで青空が見えるという”晴れ男”の本領を発揮しながら1日を過ごしてきました。

今回の”新型コロナウイルス”の感染拡大防止に関連して色んな課題がありましたが、その中のひとつに色んな情報をどのようにして皆さんにお伝えしたらよいのかという事がありました。
って言っても実はこの事については以前から、「私達が発信している情報は、光風流の会員の皆さんに役員の先生方が思っているほど届いていないですよ~」と事ある毎に申しあげており、今回の自粛によってリアルで出会うことが出来ない中で、なおさら課題として浮き彫りになったなぁと思ったのです。

情報を皆さんにちゃんと伝わるようにするにはどうしたら良いのか

情報を皆さんにちゃんと知っていただく事が出来るようにするにはどうしたら良いのか。。。という事については、私が若い頃まだ副家元だったころから頭を悩ませることの1つでもあり、いまだにどうするのが良いのか模索と試行錯誤を繰り返しています。

私が若い頃には今と全く違う環境で、当時は情報をお伝えする手段としては”紙”の媒体が中心でした。
何かイベントをする時にはチラシや案内葉書やポスターを作り、とにかくそれを各方面に幅広く配布するという手法です。
今はスマホやSNSをはじめとする環境が整い、様々な情報をお伝えする事が出来るようになっていますので昔と手法は全く変わってきていますが、ここで大切なのは手法ではないと私は思っています。

すなわち情報というのはその聞く人によって価値や重要性がまるっきり変わってしまうという事と、人は見ているようで記憶には残っていないことが多いという事、そして伝わっていると思っている思い込み、この3点が問題なのだと私は思います。

情報というのはその人によって価値や重要性がまるっきり変わってしまう

”勉強会を開催する”という情報があったとしましょう。「○月○日、〇時から会場は光風流本部いけばな教室で開催します。」という情報です。
この勉強会に興味のある方にとってこの情報は価値あるものですが、そうではない方にとってはどうでもよい情報なんですよね。

人は自分にとって興味があったり価値があると思った情報は記憶に残りますし、周りの人にも伝えようとします。しかし逆に自分にとってどうでも良いと判断した情報は記憶に残りません。
ええ、悪意を持ってこうなっているのではなく、興味がないので記憶から抹消されてしまうので、そこから広がってゆくことは無くなってしまいますよね。

人は見ているようで記憶には残っていないことが多い

人はこちらが思っているほど真剣に相手の話を聞いていない動物なのだと思います。それは特に今の時代は情報が多すぎるので、全てを理解し記憶にとどめておくのは無理だからなのだと思います。

例えば、イベントのフライヤーや開催要項のような印刷物とかをお渡ししても、「またあとで読めばいい」とか、”受け取った=読んだ”というような気持ちになっている場合が多いのだと思います。
なので「お渡しした印刷物に書いてありましたでしょう~。」って言うと「あら、そうだったですか?」な~んて事が起こってくるのだと思います。

伝わっていると思っている思い込み

情報を発信している側は、「こんなに何度もお伝えしているのだから伝わっているだろう」と思いがちですが、これこそが”伝わっていると決めつけている思い込み”なのだと思います。

先にも書いたように、人は相手の話を聞いていません。だって自分のこと以上に大切な事は無いのですから。。
お話を聞きながらウンウンって頷いていても、ス~って頭の上を通る風の様に過ぎ去って行っています。
書類を一生懸命に読んでいるようでも、頭の中は今夜の食事の事でいっぱいだったりなんてするので記憶には残りません。

書類をカバンやファイルの中にしまったら、それで終了です。ええ、なんなら2度と出てくることはありません。
忘れたころに出て来て「あっ、もう済んでるやん。。」でゴミ箱にポイ!!です。まだ裏紙にしてメモにで使ってもらえていたらまだいい方です(笑)

私が思う、じゃあどうしたら良いのか。

いま私が思うのは、次の3つかなぁと思っています。

①色々な立場の人から言ってもらう

先生からの情報は、生徒さんからするとあまりにも日常すぎて、「あ~また言ってはるわ~」で済んじゃいがちです。
なので先生以外の色々な人から言って頂くことで、記憶に残していただける可能性が高くなるのではないかと思います。

②日を変えて何度か伝える

直前に伝えたらスケジュール調整が大変だろうなぁと思って少し日程にゆとりをもってご案内をしていても、ご本人は「あ~まだまだ先だ~~」で終わっちゃう場合があります。
なので3か月前に初めてお伝えしたのならば、2か月前にもう1度、1か月前にもう1度というように、日にちを変えて何度もお伝えすることも必要なのだと思います。

③日頃から自分に興味を持ってもらえるようにする

人は興味のある人や好きな人、日頃の繋がりの強い人からの情報は大切にすると共に、価値を感じます。それは好きであればあるほど、繋がりが強ければ強いほど正比例して興味を感じたり価値を感じたりしてもらう事が出来ると思うのです。

すなわち日頃からの人との関わりや自分の行動、信頼関係などの積み重ねが大切なんだなぁと思います。

 

そんな事を思った”入梅”でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。