「事始め」とは ”新年” の行事だと思われている方が多いですが、 実は ”年末” の行事だという事をご存知でしょうか

こんばんは。内藤正風です。

今日は夕刻から、いけばな作品の写真撮影の立ち合いに行ってきました。

作品を生けこまれている皆さんの真剣なお顔と眼差し、そして、緊張感のかけらもなくアンパンマンのチョコレートパンをかじって写真を撮影している私
(笑)

「事始め」と聞いて”新年の事”と思われたかた、残念です。。

皆さんは「事始め」って目や耳にされたことはありますか。
実は今日、ご挨拶にお伺いさせて頂いたお宅で「事始め」の話になったのですが、ちなみにこの「事始め」ってどういうものだと思われます?
「事始め」に”始め”という文字が入っているから新年に行なうものだと思われた方は、残念ながら大外れです。

実はこの「事始め」って、これに関することを皆さんニュースなどで目にされているんですよ。
たとえば京都の京舞の家元である井上八千代さんのところに、12月に舞妓さんや芸子さんが挨拶に行かれている風景に記憶はありませんか?
あるいは奈良の大仏殿で12月に大仏様のお身拭いをお坊さんがされているニュースを目にされたことは無いでしょうか。
他にはやくざの山口組などで12月に幹部が集まっている映像を目にされた記憶はないでしょうか。
これ全部「事始め」なんです。

「事始め」とは、”新年”の行事ではなく”年末”の行事なんです

どうでしょう、ここまで読んで頂いて「事始め」って年末に関連する事だっていうのは、お分かりいただけたのではないかと思います。
すなわち事始めって具体的にいうと、「この日から新年を迎える準備をする日」という意味なのです。

お正月って昔々はその準備が色々と大変だったのです。
今ならばお雑煮を焚くときにはコンロのスイッチをひねればオッケーですが、昔は薪を山に採りに行かないといけなかったですし、門松を飾るのも今ならば電話1本で注文できますが、昔は材料を採りに行かないと作ることも飾ることも出来ませんでした。
正月を迎えるための大掃除も今はそんな風情は見なくなりましたが、昔は畳をあげて掃除をしたり、障子やふすまを張り替えたりしていました。
なので、12月の末に押し迫ってからでは間に合わないので、13日から準備を行なうようになったのです。

新年を迎える準備をする=翌年の歩みのための準備をする

このように元々は、生活において新年を迎える準備をするというものだったのですが、段々と意味合いが大きなものも含まれるようになってきて、翌年の歩みを考え準備をするという事も「事始め」における意味になってきたのです。

ってことで、光風流では毎年「事始め」において翌年の事業計画の発表を行なったり、中核になって活躍していただく役員の任命をさせて頂いたりして、翌年に向けての準備を行なっているのです。
もちろん今年も12月13日に事始めを開催しますよ。

とくに今回の事始めでは、来年光風流は創流60周年を迎えますので、その記念の行事に関する事業計画の発表や担当していただく皆さんの任命なども行ないますので、例年以上にかなりのボリュームのある内容を予定しています。

事始めが終わったら、新年に向かって一直線

事始めが終わったら、翌年に向かって全てが本格的に動き始めます。
とくに今年は、周年の年に向けてのスタートになりますので、光風流の皆さんと大いに夢を語りあい抱負を持ち、来年を楽しんでゆきたいと思うのです。

記念になる1年である以上に、皆さんと記憶に残る1年とすることが出来るように、盛り上がってゆきましょうね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。