体験教室は開催すること自体が目的になってしまってはいけないと思います。大切なのはお越しくださった皆さんに、その後どのような行動を起こしてもらえるようにするかなのですから

こんばんは。内藤正風です。
今日も、しないといけないことが沢山あって、バタバタはしてはいませんが、ふっ・・と気が付くとこんな時間になっていました。

って言っても、お出掛けしているときに先輩の会社を訪問して、お茶をご馳走になってくるくらいの時間はあるんですから、まあ何とでもなるってことでしょうね。(笑)

お茶菓子に出していただいたチョコ、美味しかったです!!

光風流では”いけばな体験教室”を各地で開催しています

私ども光風流では、折に触れて「体験教室」を開催しています。毎年イオンモール加西北条で開催している「光風流言えばな展」では昨年と一昨年の2年連続で行ないましたし、各地にある支部やそれぞれの教室においても、「体験教室」を随時開催しています。
おかげさまでどの体験教室においても好評で、いつも定員を超えるお申し込みをいただいていて本当にうれしいです。

体験教室を開催している光風流の先生方もそれぞれに色々考えて趣向を凝らし、お越しくださった皆さんに楽しんで頂くことができるようにしてくださっているので、私は ”へぇ~” ”ほぉ~” って見ているだけなんですけどね。

けれどそんな中で、私は体験教室開催にあたって1つだけ皆さんにお伝えしていることがあります。それは「シナリオの重要性」です。

体験教室は、開催することが目的になってはいけない

いけばなの体験教室は、”いけばな”をご存じない皆さんや、興味があるけれど”いけばな”に触れる機会が身の回りにない皆さんに、”いけばな”を体験していただくものです。
しかしここで絶対に間違えてはいけないのは、体験教室を開催することが目的になってしまってはいけないのです。

「いや~沢山の人にお越しいただき”いけばな”を楽しんで頂くことができた~~。体験教室大成功~~~!」っていうのは、単なる自己満足でしかないんです。
だって、私ってこんなにみんなを楽しませたんだよ~とか、こんなにたくさんの人数に。。。とかって、自分の満足感なんですから。

たった一度の体験教室では”いけばなの魅力”の全ては伝えきれない

そもそも「いけばな体験教室」は、そこに来られた皆さんにお花を生けていただき、”いけばな”の魅力を知っていただくことこそが本意であるはずです。

では「”いけばな”の魅力を知っていただく」ってどういう事でしょう。
こういう質問をすると多くの方が”お花を生ける喜び”と思われがちですが、この答えでは私は30点だと思います。

”いけばな”の魅力には、色んな側面があります。
お花を生けるのもそうです。
生けたお花をお家や会社で飾って楽しむこともあります。
せっかく飾っているお花なんですから、1日でも長く楽しむことができる方法を学ぶのもそうです。
飾っているお花を見て、周りの方が笑顔になったり喜んだりするのを体験するのもあるでしょう。
お家や会社でお花がある空間を体感し、その素晴らしさを知るのも魅力です。
同じ教室で学ぶ同じ趣味を持つ皆さんとお友達になるのも魅力です。
職種や世代や性別を超えたお友達ができるのも人生を豊かにしてくれます。

こういうことをいかにして知っていただくことができるようにするかという事こそ、私は体験教室の一番のポイントだと思っています。

自分なりにシナリオを考えておくと、豊かな体験教室が出来るようになります

けれどこんなにたくさんある”いけばな”の魅力を、たった一度の体験で伝えるって絶対に出来ないですので、私は体験教室を開催するときには、シナリオが大切だと思っています。

シナリオって言っても演劇とかで使うようなものの事ではなく、お越しいただいた方にどのようなアクションや行動をとっていただく事が出来るようにするかかというシナリオです。
すなわち体験教室にお越しくださった方が、お花をもう少し楽しんでみようと思ってくださる流れを準備しておくってことです。

体験教室にこられた方が、お花を楽しんで帰ってくださったとします。その人が「もう少しお花を生けてみたいな」と思ったとき、どこに問い合わせたらいいのでしょう。
ってか、こんな風に自ら調べてでも問い合わせようなんて方はかなり能動的な人だと思います。大半の方は「お花楽しかったな~」って思われていても、その時で終わっちゃうんです。

なので、体験教室からしばらくたったころにもう一度お花を楽しむことができる教室の開催を準備しておいてお伝えする事も大切なんです。

今からの季節には、こんなシナリオはどうでしょう

例えば3月1日に、ひな祭りのお花を生けて頂く体験教室を開催したとしましょう。
桃を主材にして菜の花やチューリップなどを使って生けて頂いたら、絶対にお越しくださった皆さんに喜んでいただけます。教室にお雛様を飾っていたり、体験された後には雛あられを食べながらお茶を飲んでお話しても楽しいですよね。

ここで次の機会のご案内などもさせていただくことで、より大きな興味を持っていただくことができるようになるのです。
4月に桜を主材にしたお花を生けるのもいいでしょう。もう少し期間を開けたいと思われたら、5月に花菖蒲を使ってこどもの日のお花を楽しむのもイイと思います。

どんなふうにして皆さんに楽しんで頂くかを考えると、自然にシナリオが出来上がります

体験教室を開催するときには、今開催する体験教室だけを見るのではなくその先にまで目を向けて、お越しくださった方にどんなふうに”いけばな”を楽しんでいただく機会を提供させていただくことができるかをイメージすると、自然にシナリオが出来上がってくると思います。

お越しくださった皆さんが笑顔になって喜んでくださるように、そしてその笑顔が一度だけではなく二度三度となっていただくことができるようにしてみませんか。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。