お正月にお花を生けるのは部屋を装飾する為ではなく、幸せのキューピットを迎え入れる為なのをご存知ですか
こんばんは。内藤正風です。
12月に入ってから食事会や懇親会や忘年会が続いています。そして12月中頃以降はお正月のお花のお稽古が続いています。
お正月のお花というとほとんどの方がお部屋の飾り、すなわち装飾として考えておられるのではないかと思います。確かにお部屋に松や南天や蘭などが有ると、それだけでとても華やかになりますよね。
けれど実は、お正月のお花というのは装飾として飾られているのでは無いのです。
そもそもお正月とは?
そもそもお正月というのは、それぞれのお家に”歳徳神”をお迎えする一大イベントなんです。
”歳徳神”と言うのは特定の神様をさす言葉ではありません。地域の氏神様であったり、そのお家のご先祖様であったり、台所の神様やトイレの神様というようなお家に関係する神様などの総称としての言葉です。
歳徳神は1年任期
この歳徳神は1年毎の赴任制になっていて、任期は1月1日から12月31日で、毎年新しい歳徳神が担当をされているのです。なんかサラリーマンみたいですよね(笑)
この新しい歳徳神が新任として着任なさるのが、12月31日の0時00分なんです。なぜ31日の0時00分に新しい歳徳神が来られるのかというと、前任の歳徳神と後任の歳徳神で引継ぎをするからなんです。このお家はこんなだよーとか、こういうところ注意が必要だよーって。(笑)
だから古来より注連縄とかは31日に飾る一夜飾りはいけないって言われているんです。
だって新しい歳徳神が来られる12月31日0時00分に注連縄とかをはじめとする準備が出来ていないって事は、新しい神様を迎える事が出来ずに済んでしまうって事になっちゃうのですから。
お正月の”松の内”は、新しい歳徳神様と一体になる期間
そして前任者の歳徳神は12月31日から1月1日になった瞬間に帰ってゆかれるのです。いよいよ新任の歳徳神様の独り立ちって事ですね。
会社でもそうですが、新しい人が転勤して来られたらどうしますか?そこに居る人たちと一体感を持てるように歓迎会をしたり、会社の様子をよく見て頂きますよね。
すなわちお正月っていうのは、この新任の歳徳神様と一体になる期間なのです。ちなみにそれが一番象徴されているのは、お正月に使う両方が細くなっている”柳箸”です。
この”柳箸”が両方細くなっているのには意味が有って、私達が一口食べる食事は神様も一口召し上がって頂いているっていう事なのです。
なので言うなれば、お正月っていうのは広い意味での神事と言うことが出来るのです。
お家にお花を生けるだけで歳徳神に喜んでもらう事が出来、良い一年を迎える事が出来るのです
こんなふうに歳徳神様をお迎えし歳徳神様と一体になるにあたって、歳徳神様に来て頂く時の目印になる様に立てているのが「門松」ですね。そして新しい歳徳神様をお迎えするに相応しく穢れを払っていますよと言う象徴が「注連縄」です。そして歳徳神様が来られた時の依り代として「松を使ったお花」を生けているのです。
来たる新しい年が素敵な年になるように願われるのであれば、初もうでや初日の出を拝みに出掛けられる前に、注連縄をつけ、松1本でもいいので門松を立て、お家にお花を生けておくのが何よりも良いかと思います。
綺麗に生けなくていいです。豪華なお花である必要はないです。心を込めて生ければいいのです。
ご家族や従業員の幸せのスタートは、こんな小さなところから始める事が出来るんですよーー。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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