卸売市場を見学して感じた、時代の移り変りと新しいシステムということ。

おはようございます。
今日は早朝暗い間から行動を開始している、いけばなの光風流家元 内藤正風です。

ええ、さすがに眠いです。
基本夜型人間なので、朝はいまだに弱いです(笑)

年がいったら早起きになるとは限らない

年がいったら自然に早起きになるのかと思っていましたが、全くなりません。(笑)
夜中に目が覚めて寝れないって聞きますが、夜中に目なんて全く覚めません。なんなら朝というより昼前くらいにおしっこがしたくて膀胱がパンパンで痛くて目が覚めるくらいです。(苦笑)

そんな私が暗いうちから行動開始して何をしているかというと。。。
遊びに来ているんじゃありません。虫取りでもないですよ(笑)
研修に来ています!!

久しぶりに生花市場のセリを見学

何の研修かと言うと、中国から来ている林ちゃんが、今後の参考に日本の花市場の見学をしたいと言うので、やってきているのです。
切り花のセリが始まる前の雰囲気、切り花のセリが行われている様子、お花に関する資材などが売られているお店の様子、などなど十分に見学をして頂きます。
私も以前は切り花のセリに同席させてもらったりしましたが、最近は全く来ていなかったので久しぶりでチョット楽しかったりしています(笑)

指でサインを送って取引。。。なんて全くないですよ〜。
今やiPadっす(笑)

「セリ」というシステムはもう機能しないのか?

最近の花市場は「先取り」と呼ばれる手法での取引が全体の取引の9割以上になっています。「先取り」とは、セリが始まる前に品物を先に抑えてしまう手法のことを言い、この方法で大半のお花が取引されてしまっているので、以前の様な"セリで一発勝負ーー!!!"の醍醐味っていうのは無くなってしまっています。
一発勝負の醍醐味とは、セリに出ている品物が欲しい人が多くて値段が高くなることもあれば、逆に誰も買わなくて思わぬ安くなることもあると言うことです。
いまの市場のシステムでは、思わぬ高くなる事は有っても、ビックリするほど安くなることはほぼありませんので、ホントにセリが面白くなくなっちゃいました。
昔のことわざにある「利は仕入れにあり」っていうことはもうないんでしょうね。

っていうか、もしかしたらセリと言うシステム自体が近年の間に無くなっちゃうのかもしれません。。。いや、卸売市場と言うシステム自体が今や存亡の危機なのかなぁと思います。
だって今や大半のお花は外国からの輸入でまかなわれていて、その輸入は商社がしていて卸売市場の手を通らなくても販路が確保されていたりするんですからねぇ。

5年前とは全く違う価値観の世の中に

いま世の中は大きな転換期と言うか、過渡期になっていると思います。
今までに機能していたシステムが過去のものになってしまい形骸化しています。
市場のシステムなどをはじめとして、世の中全てが最近のスマホなどの発展と普及、そしてネット環境の充実によって、全く新しい世の中が生まれつつあると感じています。

例えば5年前にはSNSなんて一部で流行っている程度のものでしたが、今やライフラインになっています。
たしかに世代によって使っているものは違います。
若者はインスタグラムを中心に、おっさんおばちゃん世代はFacebookとかって風に分かれていたりしていますが、そのそれぞれから情報をやり取りしていたり連絡を取り合ったりして、重要な役割を果たすようになっています。
もう本当に"命の次に大切なスマホ"です。

いけばな展へみなさんがお越しくださるキッカケも、以前とは全く違ってきた

私自身も先日開催した「光風流いけばな展」では、いけばな展に来てくださる連絡は9割がSNS経由で入ってきました。
たとえば来てくださる人が家を出発したのをFacebookの投稿で知り、いけばな展の会場に来る途中での寄り道している様子はTwitterで見て知るって感じです。

会場で一緒に撮影した写真も、即その場で来てくださった人のスマホにお送りさせて頂きました。
そして来てくださった皆さんは、スマホに届いたその写真を使って自分のSNSに投稿をして下さり、その投稿を見た人がまた「光風流いけばな展」にお越しくださるっていう循環も生まれました。

それが良いか悪いかは別にして、現状でのスタンダードがこれなんですよね。
しかしスマホを使っておられない人は、こう言うことが経験ないので解らないんです。
あっ誤解しないでくださいね。それが悪いってことを言っているんじゃないですよ。

ただ1番損されているなぁって思うのは、スマホを使っておられない人は、情報が自分のところに十分にそしてリアルタイムで入ってきていない事に気付く事が出来ていないってことなのです。。。

これからどんな風に変わって行くのかが楽しみです

今の時代の流れや変化はムッチャ早いです。
たぶん「もういい!」って思った瞬間にドンドン取り残されていっちゃうのだと思います。

まあ私のような年齢になったら最先端は無理ですから、落第生になりながらでも、とりあえずついてゆける状態でありたいとは思います。

って事で、そんな事を思った花市場の見学でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。