＂いけばな＂のお稽古に「スマホ」は欠かせないものになりましたが、だからこそペンでノートに書くという事の意味がより大きくなったと思います

文明の進化は天災と無関係ではないと思う
いけばなのお稽古の記録はノートだけの時代ではなくなったからこそ、紙にペンで書く効果がはっきりとしてきました
便利なものは役立てなければもったいない

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は光風流本部いけばな教室のお稽古日だったのですが、お稽古されている生徒さんの様子を見ていて、今やスマホはお稽古の記録を撮ったり調べ物をしたりと、花ばさみやノートなどと同じレベルで、絶対に欠かすことのできない存在になっているなと改めて思いました。

文明の進化は天災と無関係ではないと思う

今、世の中のほぼすべての方が、老いも若きも女性も男性も、スマホをお使いになられています。しかしこの状況って２０年前には考えられなかったと思います。

アイフォンやアンドロイドの発表が2007年だったので、この年がスマホ元年といえるかと思いますが、携帯電話まで遡って考えると、阪神淡路大震災の起きた今から２９年前には、携帯を持たれている方自体がまだまだ少ない時代でした。
そんな中、私がいる阪神間では、阪神淡路大震災の後に一気に携帯が普及したように思います。震災後にはヤクルトおばちゃんまでもが携帯で通話しながら道を歩いていましたから。
そして2007年にスマホが発売されましたが、一気に普及したのは2011年の東日本大震災の後くらいからだったように思いますし、この度のコロナでもスマホ一つで使えるラインやズームが一気に広がり深まったように感ます。

なので私は、日本における携帯やスマホの普及って、天災と無関係ではないように感じています。

いけばなのお稽古の記録はノートだけの時代ではなくなったからこそ、紙にペンで書く効果がはっきりとしてきました

携帯やスマホが普及すると、お稽古の記録を残すのはノートだけではなくなってきました。まず何よりもカメラがすぐ手元にあり、気軽に撮影をして残しておくことができるというのは本当に便利です。
お稽古をしながら途中経過を全て撮影して残しておくこともできますし、前からだけではなく前後左右そして上からも撮影されています。
なんなら動画で撮影されておられる方もおられて、それぞれ自分にとって一番わかりやすい方法をとられています。

ただ、こんな風に言っていると、もう写真や動画だけで記録は良いのでは？？と思われる方もあるでしょうが、私はノートは絶対に必要だと思っています。
写真や動画はそこにあるものを記録として残しておく道具としては役に立ちます。しかしお稽古のポイントのように必要な部分だけを取り上げて残すことや、図解してわかりやすくするようなことは写真や動画ではできません。
そしてこのノートに書くという事で何よりも大切なのは、自分の頭の中を整理するという役割があるという事です。
紙にペンで書くという行為は、テーブルの上に物を並べるという作業と同じです。なので、今日どんなことを学んだのかということを紙の上に並べて確認するという作業、そして紙の上に並べるという事は頭の中を整理してパソコンで言う最適化と同じ効果を生み出すことができるので、記憶に残りやすくなるという事でもあるのです。
なので私は、写真や動画と共にノートも絶対に必要だと思っています。

便利なものは役立てなければもったいない

新しいものはよくわかんないから。。。って言われる方もたくさんおられます。確かに避けて通るのも１つの選択肢だと思います。しかし折角そこにある便利な道具は、使って役立てないともったいないと思うのです。
より分かりやすくなるとか、いままでよりも時間が短縮されるとか、いろんなメリットがあるのですから。
そしてそれをこの度のコロナでは、程度の大小は別にしてみんなが痛感したことだと思います。

新しく便利なものはどんどん導入し、古くからあるもので意味あるものはそれを大切にし、そのうえで両方の良いところを役立てることこそが大切だなぁと、そんなことを思った今日の教室でした。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。