AIが進化する時代に求められる「いけばなの眼」と「役割」

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

月曜日の光風流本部いけばな教室でのお稽古日に、生徒さんがスマホで写真を撮ってお花の名前を調べておられるのを見ながら、「AI」について色々と考える機会になりましたので、今日はそんな事についてブログを書き進めたいと思います。

時代はどんどん移り変わって行く

時代や価値観ってドンドン移り変わっています。例えば日常生活でいうならば、携帯電話が普及する前には電話番号なんて何十件も暗記しているのが普通でしたが、今では自分の家の電話番号や携帯番号を覚えているだけでいっぱいいっぱいです。
なんならスマホの普及以降は、生活や価値観も一変し、以前とは全く別世界です。

そしてそれは、私達いけばなのお稽古風景も一変させました。お稽古の時にスマホは、写真撮影に使ったり調べ物をしたりするために手放せなくなっています。
これは、良いとか悪いという次元の話ではなく、それが実情であるという事です。

「AI」が世の中を一変させている

今や時代は、何かを調べるとか決まった流れや決まった作業を行なうっていうような事は、すべて「AI」がドンドンこなすようになってきています。

我が家にもAIスピーカーのAmazonエコーがありますが、ホント便利ですよね。「アレクサー、○○の音楽掛けて~」って言ったら音楽掛けてくれます。電気のオンオフとか冷房暖房、その他色んな事が音声でコントロールできるようになっています。
天気予報も聞いたら教えてくれます。翌日のスケジュールも「アレクサ―、明日のスケジュール教えて」って聞けば、「〇〇時から◇◇◇があります。〇〇時から◇◇◇があります。」って教えてくれます。
とはいえ、スケジュールは4~5件を超えると、聞いてる私の方が覚えられません。ええ、人間の方がついて行けいません(大笑)。

移り変わる時代の中で"いけばな"は何ができるのか

これからは、今まで人がしていた仕事がドンドン機械化というかAI化されていくのは確実です。なので最近では、整備士の方が不足していて、ドクターヘリを思うように飛ばすことが出来なくなっているという話や、車の整備士も人手不足で、引く手あまただとも聞きます。
なので今まであった仕事が無くなり、今までに無かった仕事が生まれてくるなんて事だけではなく、需要と供給のバランスも全く変わってしまうのだろうと感じます。

もちろん ”いけばな” も、安穏とはしていられないと思います。だって環境や価値観が変わってゆくということは、皆さんに求められる ”いけばな” や必要とされる ”いけばな” が変化してゆくという事なのですから。
1つハッキリ言うことが出来るのは、これからの ”いけばな” では暗記なんてする必要性がどんどん無くなってゆくと思います。だってこういう事こそ、コンピューターの得意分野なのですから。デザインとかもAIで出来てしまうでしょうね。だって今やお絵描きも写真も動画も、AIで出来てしまうのですから。

AIが進歩すればするほど、審美眼や鑑定眼が求められる

では人間のできる事は無くなってしまうのかというと、けしてそんな事はありません。なぜならそれは、現在のAIには出来ない事があるからです。それは、「善し悪しの最終判断」と「個性の表現」です。

これまでにあった様なデザインを描くことは簡単です。今までにあったような写真や動画を生み出すことも簡単です。今までに書かれた文献を参考にして文章を書くことも可能です。しかし、その生みだしたものが良いか悪いかの最終判断をAIがする事はできませんし、その作品に個性をまとわせることも今のAIでは出来ないのです。

手でゴリゴリ曳いていたノコギリが電動になったり、手でクリクリと回していたねじ回しが電動になったりという様に、世の中はどんどん便利になってゆきます。なのでこれからの時代、AIの進歩によって提携の作業や記憶という事だけではなく、創作に関する色々なものまでもが便利になるのは、間違いありません。

しかし、「○○さんらしさ」というような個性や、そのAIが提示したものが正しいか間違っているか、良いものか駄目なものかを最終的に判断するのは、私達人間なのです。
つまり、AIをはじめとする便利な道具をしっかりと使いこなすことが出来る様になるためには、今まで以上に「審美眼」や「鑑識眼」が私達には求められるようになるという事なのです。

そんな事を思ったお稽古日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。