記憶のメカニズムを理解し生かせば、”いけばな” を早く上達することができるようになります

いけばなを早く上達したければ、記憶のメカニズムに目を向けるべきです
いけばなを早く上達するには「長期記憶」に目を向けるとよい
長期記憶をいけばなで効率的に生かすためには、たったこれだけの事をすればよい
出来ない理由探しなんてしている暇があるなら、行動あるのみ

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

昨日の私のブログ「＂いけばな＂のお稽古に「スマホ」は欠かせないものになりましたが、だからこそペンでノートに書くという事の意味がより大きくなったと思います」で、ノートを書くという事の大切さと価値について少し触れたのですが、今日はこの事についてもう少し深く触れてたいと思いブログを書いています。

いけばなを早く上達したければ、記憶のメカニズムに目を向けるべきです

いけばなのお稽古には、早く上達される人と上達の遅い方があります。しかしこれは上手下手とか賢いお馬鹿、器用不器用という要素よりも、「”記憶の特徴” を活かしているかいないか」の方が大きいと私は思っています。

まずこの話を進めるには人の記憶という事について、理解する必要があります。人の記憶には２種類あり、「短期記憶」と「長期記憶」の2つがあります。
「短期記憶」とは、例えば本を読むときに前の段落や前のページに書かれていたことを覚えていたりすることや、電話をかけるときに電話番号が書かれているものを見て覚えていたりすることになります。
つまり短期記憶とは、今は覚えているけど数日とか数時間経ったら忘れてしまう記憶ということです。

次に「長期記憶」というのは、引っ越ししても子供の頃に住んでいた場所を覚えているとか、自転車に何年も乗っていない人が久しぶりに自転車に乗っても乗れるというようなものになります。

いけばなを早く上達するには「長期記憶」に目を向けるとよい

それではこの短期記憶と長期記憶ですが、人の記憶が長期記憶になるか短期記憶になるかの一番の違いは何かというと、「記憶」が「運動」と結びついているかどうかという事です。
皆さん学生の頃に、国語とか歴史のような記憶系の試験勉強をするときに、声に出して読みながらノートに書き写したりしませんでしたか。これまさに覚えるということを「運動」と結びつけることによって、効果的に行なっているものになります。

長期記憶というのは、運動の要素が必ず含まれています。
先に書いた子供の頃に住んでいた場所を覚えているというのも、”毎日出かけて毎日帰ってくる” という運動の要素があります。自転車も ”乗る” という運動で記憶しています。
なので最近、電話番号を全く覚えていないのは、この長期記憶に働きかけていないからなのです。昔は電話をかける時には電話帳を見て ”ダイヤルを回す” という運動をおこなっていたので、よくかける電話番号は何十件も覚えていたのですが、今は電話番号を見て、電話番号をいちいちプッシュ（ダイヤル）するという運動がないので、いつまで経っても電話番号を覚えないということなのです。

ということで、感の良い方はもうすでにお気づきになられていると思います。つまり、いけばなを早く覚えたりしたければ、この長期記憶の特徴を活かせばよいという事なのです。

長期記憶をいけばなで効率的に生かすためには、たったこれだけの事をすればよい

それではいけばなのお稽古で長期記憶を効率的に生かせるようにするにはどうしたらよいかについて話を進めたいと思います。

まず一番最初に押さえておきたいのは、お花を生けるという事は、繰り返した回数が多ければ多いほど長期記憶になるという事です。これは絶対に間違いありません。
ただここで注意しないといけないのは、繰り返した回数というとお花を生ける回数だけに目が向きがちですが、そうではないという事です。
その時に生けたお花を、ノートに記録するという事も運動と学びが一緒に行なわれているという事ですし、生けている時に枝の寸法や注意するべきポイントを口に出してしゃべりながら生けるという事も運動と学びを一緒に行なうことになります。
なのでノートをとるという事は、今日実際にお花を生けた作業を振り返り、記憶や体験を整理して再確認しまとめるという作業に他ならないのです。

そしてこれらの方法のほかに、運動と学びを効率的に結びつけ効果のでる方法があります。それは他の人に伝える（教える）という事です。
伝える（教える）という事は、まず自分自身が学び経験したことをノートに記録するという事から始まります。そして伝える（教える）という行動をするためには、「記録したことを自分なりに思い出したり整理しながら口に出して話す」という、長期記憶として定着させるために一番効率的であり効果の有る、インプットとアウトプットを同時に行うことができるのです。

出来ない理由探しなんてしている暇があるなら、行動あるのみ

こんな風に言うと、いや～、そんなん言われても。。とか、わかるけれど～。。とかって言われる方がありますが、そんなこと言っている段階でその人は見込みが無いってことになります。だって最初に書いたように、長期記憶なんて「やれば誰でもできるようになる」って事なのですから。

出来ない理由探しをしている場合ではありませんよ。
行動あるのみです。

内藤正風PROFILE

内藤正風

平成５年（1993年）、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。