「無難」ではなく「難」があり、その「難」を乗り越える為にみんなの知恵や力を借りるからこそ「有難い」と感謝する事が出来るのです

こんばんは、内藤正風です。

今日は、昨年の6月から仰せつかり務めていた1つのお役目を無事に終えることが出来ました。
正確には6月末日までが任期なのですが、本日最終の催しが終わったので、これにてお役目終了となりました。

任期終了をお祝いして、花束やお菓子までいただいちゃいました。

「無難」って本当に良い事なのか

今日最後の催しに出席しながら、ふと思ったんです。「コロナ禍で無難な1年ではなかったけれど、皆さんに支えて頂いて1年を終えることが出来て本当に有難かったなぁ」と。

この無難って言葉は日頃私たちもよく使いますよね。
「これまでと同じようにしておけば ”無難” だ」とか、「”無難”な方にしておこう」とか。
この「無難」って言葉を大半の方は「難が無い」と言う意味で捉えられていると思うのですが、私はこの言葉ほど危険な言葉は無いと思っています。

「無難」すなわち「難が無い」事こそが「一番の難」

たとえば会議で例を挙げると、1つの議案を取り上げた時に、何の意見も質問も反対意見もなかったって聞くと、良かった良かったって大半の方は思われるでしょうが、私はこの状態は非常に危険な状態だと思っています。

つまり何か新しい事をしようとしたり、今までと方法やシステムをちょっと変えようとしたら、そこには賛否両論あるのが普通ですし、少なくとも質問くらいはあるはずですよね。
なのにその状態で何の意見も質問も反対意見もなかったということは、未来に向けて何か新しい事を取り入れたり挑戦したりする要素が欠落しているのか、それともイエスマンばっかりで会議をする価値すらないのか、どちらかだと思うのです。

前例踏襲で物事を進めていれば、反対も出ないでしょう。
「前回と同様に」って金文句のように思われがちですが、前回と同じようにして未来は絶対に開けないです。
だって何故ならば、時代は流れて行っているのです。世の中の価値観はどんどん変わってゆきます。
そんな中で前回どんなに大成功したことであっても、そのまんま前例踏襲って事はもう時代の価値観にそぐう事が出来ていないって事に他ならないですよね。
1回2回なら前例踏襲でも進んで行けるでしょうが、5回も10回も前例踏襲を続けていたらもう手遅れでどうしようもなくなっちゃうしかないです。

なので私は「無難」すなわち難が無い事が「一番の難」だと思っているのです。
だって「難」があることに気づく事すらできていない、あるいは「難」について見て見ぬふりをしているって事なのですから。。。。。

「無難」って実はそれ自体が一番の「難」なのだと私は思います。

コロナ禍で「難」だらけだったけれど、皆さんに支えて頂いて1年を終えることが出来ました

昨年の7月から今年の6月までの1年間は、コロナの影響で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が度々発令されました。
おかげで私がお役目をいただいていたこの会でも催しの中止や変更などが度々あり、その意味では「難」だらけの1年だったと思います。

しかし逆に言うと、これまでと同じことが出来ないから出来る方法を考えたり、これまでと違う新しいやり方を取り入れることが出来たりしたのも事実だと思います。
そしてその時には色んな人の知恵や力を借りて何とかすることが出来たので、本当に有難い事だと心より感謝しています。

「難」が「無い」のではなく、「難」が「有った」からこそ、その「難」を乗り越える為に皆さんの力や知恵を借りて試行錯誤して何とかしたことで前進することが出来、「有難い」になる事が出来たのです。
無難な1年だったらそうはなっていないと思います。

無難ではなく難が有りそれを乗り越えたからこそ、有難いと思う事が出来るようになる。そんなことを思った1日でした。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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