生き残りたければ自らを変革させなければなりません。それはすなわち「適者生存」こそが唯一の方法だからです

こんばんは、内藤正風です。

今日は兵庫県いけばな協会の総会で、司会進行を行なってきました。
今年の総会の目玉は、来年が協会創立70周年の節目の年になり記念の事業なども行うので、それを視野に入れながら、こらからの協会運営が行ないやすくなるように協会の組織を一部改正したことです。

時代はどんどん移り変わってゆく

世の中は刻々と移り変わっています。
1日や1週間単位ではその変化は分かりにくくても、数か月とか1年とかのスパンで見ると確実に変化し続けています。

例えば分かりやすい様に極端な例を挙げるならば、今は高度成長時代とはまるっきり違います。バブルの頃とも全く違う世の中になっています。
人口も増加傾向にあるのではなく減少傾向の中にあります。

これはどれが正しいとか間違っているとか言っているのではありません。
ここでしっかりと見なければならないのは、いまどういう時代の流れであったり、人々の思考や好みや価値観がどうなっているかという事なのです。

30~40年前とは全く違う環境に置かれている「いけばな」

私がいけばなを職業としたころには、女性の素養としての花嫁修業という感覚がまだ残っていました。
しかし今世の中でそんな価値観で「いけばな」を学ばれている方は皆無だとは言いませんが、ほぼほぼ居られないと思います。
したがっていけばなのお稽古にお越しになられる生徒さんの数も世代も、お稽古に求められているものも、全てが全く以前とは変わっています。

そんな環境なのに、30~40年前と同じ考え方で開催されているいけばな教室があったとしたら、生徒さんたちに受け入れてもらう事が出来なくなってしまうのは火を見るよりも明らかなのは言うまでもありません。

「いけばな」700年の歴史は新しい事への挑戦の歴史なのです

新しい取り組みや挑戦をすれば賛否両論あるのが普通です。
ただそんな中で1つハッキリという事が出来るのは、いけばなは700年と言う長い歴史があります。日本古来からあるものと言う事で古臭いものというようなイメージをもたれている方が多いですが、これは全く違うと私は断言します。

「伝統」とは言うなれば「足跡」です。
その時代時代の華道家が、時代の流れや移り変わる環境の中で、新しい挑戦を行い一歩ずつ歩を進めてきたからこそ700年と言う伝統を積み重ねる事が出来ているのです。
住宅環境の変化、人の価値観の移り変り、こう言うことを無視して皆さんに受け入れられる事は絶対にありませんし、そうなれば当然未来もありません。
すなわち言葉を変えるならば、700年間、時代の最先端を積み重ねて来たものが「いけばな」であると言えるのです。

第二次世界大戦で日本が焼け野原になったこともありました。明治維新があり、古い日本の価値観や考え方が一気に西洋化したこともありました。そんな中でいけばなが消えてなくなってしまわずに今日まで歴史を積み重ねてくることが出来ているのは、変革してきているからなのです。

「強者生存」ではなく「適者生存」

今世の中の価値観や環境は大きく移り変わっています。
床の間をはじめとする畳の部屋の減少に代表される住宅環境の変化、スマートフォンの普及などによる情報の伝達方法の変化と情報価値の変化に代表される人々の価値観の変化、他にもいっぱいありますが、とにかくもう20年前と今とでは全く違う世の中になっています。

そんな中で未来に生き残っていくことが出来るかどうかは、変化出来たものだけが生き残る事が出来るという事だと思います。
動物でいうと、強いものが生き残る「強者生存」ではなく、その環境に適合したものが生き残る「適者生存」なのです。
今が良いからと言ってそのまま変革を恐れていては、気付いた時には適者ではなくなってしまいます。常に挑戦し続ける事のみが自らを時代にあわせて変革させることが出来る唯一の方法ですし、だからこそ適者として生き残る事が出来るのだとおもいます。

そんなことを今日の総会では思ったので、ブログにしてみました。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。