お正月になると両方が細くなったお箸を使うのには、実はとても大切な理由があるのです

おはようございます、内藤正風です。

今日は久しぶりに移動のバスの中でのBlogアップです。

以前はこういうブログアップは日常でしたが、最近はバスで移動することも、移動の公共交通機関の中でブログを書くこともほとんどなくなったので、なんか新鮮な気持ちでワクワクしながら書いています。

お正月に使うお箸って両方が細くなっていますが、何故かご存知ですか

お正月には両方が細くなっているお箸を使いますよね。写真のような ⇓⇓⇓ こんなやつです。

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このお箸、なぜ使うのかご存じですか。

お正月はお酒をたくさん飲むので、酔っ払ってお箸の上下の持ち方間違えても、大丈夫なように。
見た目が綺麗から。
みんなでおせち料理や大皿に盛られたような料理を食べるので、いちいち取り箸の心配がいらないように。?
・・・・・

残念です。全て間違いです。
このお箸を使うのには実はちゃんとした理由があるのです。

お正月に使うお箸の事を「柳箸」といいます

このお箸は、日頃お弁当とかについている割りばしの類とは全く意味の違うものになります。

まずその素材は「ヤナギ」を使うと定められています。
なぜヤナギを使うのかというと、ヤナギは古来より神聖な木として考えられており「魔除け」として扱われてきている植物であり、お正月のお箸はこのヤナギで作られているので「柳箸」と言うのです。

私達の一口が神様の一口になります

そしてこの柳箸は上下両方とも細くなっていますよね。
これは、一方は私たちが食事をし、もう一方は神様が使われるために細くなっているのです。
すなわち、新年を迎えて新しい歳徳神様と正月の松の内の期間中に食事を一緒にすることを通じて、神様と一体化する神事を行なっているという事なのです。

要するに、私たちの一口が神様の一口でもあるという事であり、お正月の期間中を通じて神様と一体になることで、この1年間の無病息災や家内安全などの恩恵を授かることができるように願うと言う事なのです。

柳箸は松の内の期間中、同じものを使いましょう

この柳橋は全部同じ形をしていますので、まとめて洗ったらどれが誰の使っていたものかわからなくなっちゃいますよね。
しかし先にも書いたように、自分が食べる一口が神様の一口にもなりますので、お正月のお箸は誰が使ってもいいものではなく、1人1人の物になるのです。

なので古来よりこの柳箸の袋には、年末に家長が家族全員の名前を書いて、誰の使っているはしか分かるようにするのがだたしい作法になるのです。
(ちなみに今では家長なんて今言わなくなっちゃいましたね(笑))

柳箸は他にも色々な呼び方がされています

この柳箸も地域によって色々な呼び方がされています。
お正月のめでたいときに使うので「祝箸」とか、お箸の真ん中が太くなっている姿から五穀豊穣を願って「俵箸」とか、女性の妊娠している姿になぞらえて子孫繁栄を願って「孕み箸」とか呼ばれたりします。

とにかくお正月というのは連休とかお休みという存在ではなく、家族や一族の幸せを願う気持ちがその根底にあり、その気持ちには昔も今も違いは無いという事なのだと思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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