昨日の講座を受けて、皆さん早速それぞれにお花を楽しんでくださっています。

こんばんは。
いけばなの光風流家元 内藤正風です。

昨日は、お花に興味を持つ皆さんに【桃の節句のお花を簡単によりゴージャスに生ける講座】 を開催させていただきました。

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その様子は昨日の私のブログ
桃は二度楽しむことができるのを、ご存知ですか?
の中で紹介させて頂いていますし、参加してくださった雑賀静さんもブログ
内藤正風家元に生け花を教えて頂きました!
でも書いてくださっているのでここでは省きますね。

いけばなの悪いイメージ

そんな中で「いけばなを以前に習ったことがあるけれども今はやっていない」っておっしゃられる人の中に、いけばなのお稽古に対して凄く悪い印象やイメージを持たれている方が多い事に愕然としています。
まあこういうお話を耳にするのは今に始まった事ではないので、内容に驚きはしないのですが、同じ事を言われる方の多さには驚くばかりです。
それはどういう事かと言いますと、前記の雑賀静さんもブログの冒頭に書かれているので引用させて頂きますと

敷居の高いイメージの「生け花」

実は私、高校生の時に、一度生け花を習い始めました。しかし、お稽古初日、先生に生け終わった花を見て貰った時、無言で全て花を抜かれ、やり直しされたのが嫌で、1日で辞めてしまったという過去の苦い経験があります。

自分で試行錯誤して折角生け上げたお花を、先生が全部抜いて生けなおされた。
何が悪いのか説明もなく先生にお花を抜かれて直された。
先生が全部生けなおされて先生の作品になってしまった。

私がこれまでにお聞きしたこういうお話を挙げればキリがありません。
(^^;

習われている方からすれば、せっかく自分なりに生けた作品を目の前でバババって抜かれて、先生が生けなおして「こうですよ!」って言われたらガッカリしますよね。
そりゃお花習うのが楽しくなくなったり、嫌になったりしちゃいますよ。
はぁ??ってなりますよね。
私が同じことされたら、確実にキレます。

「いけばな」は、お花を上手に生ける事が出来るようになることが目的ではない

作品を目の前でバババって抜かれて、先生が生けなすっていうスタイルのお稽古をされる先生に習われている方が今ももしおられるならば、その教室に行かれるのは控えられた方が良いと思います。
すみませんハッキリ言います。
その先生にお花を習うのは止められた方が良いと思います。

理由は沢山ありますが、大きなものとして二つあげる事が出来ます。

①その先生は、あなたを尊重し大切にしていない。
その先生は自分自身もお花を生けて作品を生み出す作家としての側面もありますよね。
ってことは、自分の生けあげたお花をバババって抜かれたらどんな気がするかって事くらい想像すれば簡単に気付くはずですよね。
なのにそう言うことが判らない、あるいは気にならないって言うことは、お稽古に来られている生徒さんを「何をしても良い存在」くらいにしか見ていないって事です。
人に対して尊重や愛を持つ事ができない先生が、お花に対して尊重や愛を持つことは出来ていないのではないかと思います。

②いけばなを形を学ぶものとして凄く狭い解釈をされている
その先生は「いけばなとは流派の花形を教え学ばせる事が一番大切な事」と考えられているのだと思います。
だから生徒さんのお花を全抜きして、生けなおすなんてことが出来るのだと思います。
私は、いけばなとはお花の楽しみ方を学んで頂き広げて頂く事こそが一番大切な事だと思っています。
たしかに「型」も大切だと思います。しかしそれは手法としてのものであって、まず一番大切なのは「お花のある生活を楽しむ事」や、「その楽しみを見つけたり引き出したりできるようにする事」が一番本質だと考えています。
お花の楽しみを広げたりグレードアップさせるために、手法としての「型」を学ぶ事が有効なのであって、型を学ぶことで楽しくなくなってしまうっていうのは本末転倒としか言いようがないと思います。

いけばなはお花を生ける技術を学んだり、上手に生ける事が出来るようになる事が目的ではありません。
お稽古は修行ではありません。
苦しむ事や辛い思いをする事になんて、何の意味も価値もありません。
自分で生ける事を楽しむ、自分の生けたお花を飾る事を楽しむ、自分の生けたお花を周りの人が見てくれることを楽しむ、お花がある事で生まれる会話を楽しむ、、、、、
楽しむためにお花を生けるのです。

お花の楽しみ方に「こうでなければならない」なんて無いのです。

昨日はお稽古の中で、お家に帰ってからの楽しみ方についてもお話させていただきました。
生けやすくそして自分の持つイメージを手軽に形にできる方法を案内させていただきましたので、吉井 浩子さんは大阪の住之江区粉浜にあるご自分のお店「falo」の店頭に早速生けて飾ってくださいました。

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和歌山のみなべの「てらがき農園」で無農薬の南高梅を作られている寺垣みち子さんは、ご友人に「生けてあげるからねぇ」って言ってこられて、ご友人が桃のお花を生けに来てもらえるのを待ちわびておられたり。

私が皆さんにおススメさせて頂いている「トイレのお花」の事もお稽古の中でお話させていただきましたので、入江美穂さんは残った材料で早速おトイレに一枝一輪一葉で生けて楽しんでくださったり。

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お花の材料を二つに分けて、小さな器や小さなスペースに飾る事が出来ますよっていうご案内もさせていただいたら、YUNA STYLEと言う会社を経営しジーンズのデザイン生産販売をされている雑賀 静さんは、お嬢様と2人でお花を楽しんでくださいました。

IMG_9280お嬢様作

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雑賀静さん作

こんな風にして皆さんそれぞれにお花を楽しんでくださり、お花のある生活を満喫していただく事が出来ると、講座を開催してよかったって思いますし本当に嬉しくてたまりません。

次回は3月11日に開催します。

今度は【侘び寂びの世界】について皆さんにお伝えし、お花の楽しみを広げていただく事が出来る色んなネタをご案内させていただいたり、実際にお花を生けていただいたりします。
会場は大阪の船場です。
ご興味のある方は、お問合せ下さいね。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。

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