制約があったり不便な方が、人間は知恵を働かせるし賢くなる
こんにちは。
朝から電車に乗ってあちらこちらに移動している、いけばなの光風流家元 内藤正風です。
一昨日の札幌でIKEBANA(いけばな)をさせて頂き、休憩時間の時に「制約や不便こそが新しい発想を生み出す」ってお話をさせて頂く機会がありました。
お越し下さっていた方の中のお一人、野副弘幸さんは、室蘭のストーブ屋さんの専務をされています。
当日は朝にお家の用事を済まされてから、このセミナーにお越しくださったそうで、その道中で器に出来るんじゃないかと思ってファイブミニを買ってこられたのです。
大塚製薬のファイブミニ
これで大丈夫ですか?って恐々聞いてこられたので、私は「面白いじゃないですか!!それ中身を飲み干すところから始めましょうよー」って言いました。
だって面白いじゃないですか!
お花生ける前に腰に手を当ててファイブミニを一気飲みして「ぷはぁ――」とか言って、その瓶にお花を生けはじめるだなんて、最高ですよね。
そういう身の周りのものを生かすって、新しいイメージを作り上げるに相応しいと思うのです。
制約があったり不便な時こそ、新しい発想のチャンスなのです。
人間は「不」の付くような時にこそ新しい発想が生まれたり、新しいアイデアが導き出されたりします。
「不」の無い所には何も生まれません。
「不」とはすなわち、不自由、不便と言うような、自分にとって都合の悪い様な場面や機会と言う事です。
言うなれば今回の野副さんも、まさしくこの「不」真っ只中に飛び込まれちゃったのです。
初めてお花を生けられる方にとって、お花の器と思っているようなものではなく全く用途の違うものに生けるしかないということは、ものすごく大きな「不」だったと思います。
そんな中で、ファイブミニの瓶は思いのほか小さですので、生けるお花の寸法を少し小さくされたらどうですかと言う事をアドバイスさせて頂いたほかは、ご自分で試行錯誤されながら生け上げられました。
野副さんの生まれて初めて生けられた作品はこちら↓↓↓
ムッチャ素敵でしょ!!!
自分の身の回りの「不」を拾い上げてみる事から始まる
高校の時の学生服と同じです。
高校の時に学生服が決まっているから、詰襟を高くしてみたり低くしてみたりする。
ズボンを太くしたりしてみる。制服の上着の寸法を長くしてみたり短くしてみたりする。
これって学生服の規定というものがあるからこそ、そこから色んな試行錯誤が生まれてくるんですよね。
服装の規定があるから、そのボーダーラインをちょっとずつ踏んでみる。どこまで踏み込めるかチョットずつ入ってみる。(笑)(笑)
学生服が無く服装自由な学校では、こういう発想には絶対にならないですよね。
だってそこには「不」が無いんですから(笑)
これってたぶんお仕事でも同じことだと思います。
今自分のしているお仕事に「不」がある。
だからこそ、その「不」を少しでも減らしたり無くしたり出来るように知恵を絞るという事です。
知識はいくらあっても、その知識を生かすための知恵が無ければ何の役にも立ちません。
知恵を絞るということは、知識を普通に当てはめたり生かしたりするのではなく、持っている知識と知識を組み合わせて使ってみたり、知識を上下逆にしてみたりする事に他なりません。
言うなれば悪知恵も立派な知恵だと思います。
創意工夫からこそ楽しむ事が出来るようになるのです。
いけばなにはこの創意工夫が全ての場面において散りばめられており、だからこそ楽しいし魅力に溢れているし、その工夫はビジネスに置き換えて活用する事が出来るのです。
今移動の最中の電車の中でそんな事をフッと思ったのでBlogに書いてみました。
ちなみに野副さんとこの話をさせて頂いたのはトイレで、野副さんとクサい仲になったのは、ナイショです!(笑)
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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