”いけばな”的目線で思う、暑い夏を過ごすためのアイデアの種は、昔からの伝承にあるということ

ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。

もうこの暑さ、どうしようもないですよね。焦げてしまいそうというか、溶けてしまいそうというか。
そんな中、一昨日「貴船」に行ったときに、日本人には季節を楽しむという「粋(いき)」があるという事を改めて感じてきました。

いうなれば、春には春を、夏には夏を、秋には秋を、冬には冬を楽しむってことですね。

夏は暑いに決まっています。だからこそその暑い夏を楽しむ知恵が必要です

例えば夏は暑いです。ええ、夏は暑いに決まっています。そんな夏は暑いからこそ、山あいの清流に行って涼をとる。
昼間が暑いからこそ、夕刻の日が沈む前後の風がとても涼やかに感じる事が出来る。あるいは、神戸だと六甲山のような高い山に登って涼をとる。
なんて避暑も夏ならではの楽しみですよね。

あるいは、お部屋の建具を涼しさを感じる夏用のものに変えるとか、座布団を夏用に替えるとか、クッションカバーを夏用の物を交換するとか、あるいは箸置きなどの小物を金魚とかの涼しさを感じるものにするとか、日常生活の中でも色んな事が出来ると思います。

昔からの知恵には、生活を豊かにするヒントがたくさん隠されています

確かに近年の夏の暑さは異常です。学校のプールや色んなイベントもあまりの暑さから中止になっています。
そんな中だからこそ、クーラーの効いたお部屋の中で熱中症などにならない様に注意する事もとても大切です。
しかしそんな暑い夏だからこそ、日本古来の夏を乗り越える知恵を今こそ役立ててみたらいいんじゃないかと思うのです。

ただしここで注意が必要なのは、昔の方法をそのまま今にあてはめても全く意味がないって事です。だって環境も価値観も全てが違うのに、上辺の手法だけ真似ても逆効果になってしまいます。
たとえば、夏には打ち水をすると涼しくなると言われています。しかしこれは昔の土とかの庭や道だったころの話であって、今のアスファルトに囲まれている環境でお昼間に打ち水なんてしたら、涼しくなるどころか余計に湿度と温度が上がってしまいます。そんなことしたら死にます。。

いま、都会では打ち水なんて逆効果ですが、水によって涼しさを感じたり気温を下げる方法はあると思います。
例えばミストシャワーもあるでしょうし、日よけのタテスの上から水を少量流し続けて涼をとる事も出来るでしょう。
つまり、それぞれのお家や環境に応じて昔ながらの知恵を生かすことで、夏を楽しむ事が出来るのです。

”いけばな”における、涼しさを感じる古来からのヒント

”いけばな”にも、そう言うヒントは沢山伝えられています。
ガラスの器を使う事で涼しさを表現する。水面が広く見える水盤にお花を生けて涼しさを表現する。氷柱を模した器を使う。水辺に生える植物を取り合わせて涼しさを感じる。涼しさを感じる色の取り合わせをする。
例を挙げればきりがありません。

ただそんな中で、私が一番大切だと思っている事が一つあります。
それは。。。
良いカッコしようと肩ひじ張らない!!ってことです。

良いカッコしようとするから続かないのです

今までに書いたような事は、特に難しいような事は何一つもありません。誰でもやろうと思えは出来る事ばかりです。しかしそんな中で中々こういう事が出来ないのは、良いカッコしようとしたり肩ひじ張ったりするからなのです。

お花を生けて飾るとなると、上手に生けないととか豪華にしないととか思うから大変になるのです。ガラスの一輪挿しに白い花1本で十分なのです。
そうすれば水替えも手軽に出来るので、お花を長く楽しむ事が出来るようになるのです。

涼しさを感じるようにお部屋を模様替えしようなんて思うから、中々出来ないんです。クッションカバーを水色や白のモノに替えるだけでもいいんです。
クッションカバーなら使い捨てだと思って安いものを買い求めればいいんですし、手軽に雰囲気を変える事が出来ます。

今あるものを活かす、出来る事をする

今あるものを最大限生かしながら、昔からの知恵をヒントにしてみてください。いくらでもできる事があるでしょうし、家族みんなで一緒に楽しむ事が出来ると思います。

そんなことを窓から外を眺めながら改めて思った、超絶真夏日の光風流本部いけばな教室でのお稽古日です。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。