自粛は大切だけれど、状況を考えない自粛は復興支援に結び付かないという事を私は阪神淡路大震災で学びました
ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。
昨日は初稽古を行ないました。とはいえ殊更に何か特別な式や催しを行うわけではなく、令和6年の初めての教室開催日だったという事だけです。
教室で生徒の皆さんと過ごす時間は、やっぱり楽しいですし私は大好きな時間です。
波乱の幕開けとなった令和6年
今年は能登半島地震や航空機事故という、波乱の幕開けになりました。被災された皆様や事故にあわれた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた皆様には心よりお悔やみ申し上げます。
天災や事故は予期できない事とはいえ、その一報を目にするたびに辛い思いをいたします。
私も阪神淡路大震災を身近に体験し、光風流の関係者や友人が多数被災し、震災直後の家屋内部の様子や、全壊したお家を目の当たりにしてきました。そういう中、被災し会社にも学校にも行けない友人の子供を預かったり、被災した仲間や友人に救援物資を度々もって行ったりなどもしていましたので、被災された皆さんの事は他人ごとではなく心が痛みます。
しばらくは軽挙妄動は避けなければならない
阪神淡路大震災から29年が経っていますので、私の経験が役に立つかどうかはわかりませんが、その時に感じたことを少しお話をさせていただこうと思います。
まずしばらくは「軽挙妄動」は避けなければなりません。安否確認さえできたらそのあとは電話もできるだけ避ける。お見舞いや救援物資を持って現地に行かない。という事です。
被災された家族や友人に電話をして元気づけてあげようという気持ちはわかるのですが、安否確認が出来た後は、電話も必要な時だけにしたほうが良いと思います。なぜならば電話網も被災しており、限られた回線の中で通話が確立しているので、本当に必要な人の通話がしやすくなるように、急を要する通話以外は避けたほうが良いと私は思っています。
あと、家族や友人のお見舞いに行きたい、救援物資を持っていきたいという気持ちもわかるのですが、しばらくは現地に行かないほうが良いと私は思います。
と言いますのも、被災してすぐは道路が寸断されており、通行できる道が限られています。そんな中を一般の車がどんどん入ってゆくと渋滞が起こってしまい、救急車などの緊急車両が通れなくなってしまったり、自衛隊などの車両が救援活動を思うようにできなくなってしまったりします。なので当面は急を要するとき以外は、現地に行かないほうが良いと私は思います。
一定の復旧がなされた後は、自粛を自粛したほうがよい
震災から一定の日数が過ぎて、ある程度の復旧がなされた後は、現地にどんどん出かけて行ってお金を使ってあげる事も大切だと思うのです。
これも私の阪神淡路大震災の時の経験によるのですが、被災した友人たちがみんな口をそろえて言っていたのが、「震災の爪痕を見にどんどん来てもらい、お金を使ってもらいたい」という事でした。
被災して壁がはがれたりひびが入った状態のお店で商売をしていたり、全壊したお店の跡地でテントを張って商売をしている。その様子を見に来て、地元のお店でジュース1本でいい、シャツ1枚でもいい、とにかく買ってもらえれば、それが復興への手助けになる。という事なのです。
ちなみにこの写真は当時のニュースで使われていた写真です。
復興復旧にはお金が必要です。しかし被災した後だからとか、被災されているところに行くのは避けたほうが良いだろうというような「自粛」をみんなが考えるようになると、現地にお金が落ちなくなってしまいます。という事は地元の人々の復興復旧がそれだけ遅くなるという事なのです。なので「自粛」を自粛して、現地でどんどんお金を使ってあげるという事も大切なのです。
そして人が集まってくると、現地の人たちも気力がわいてきて元気になるという事も聞きました。
復興復旧は一人でできるものではありません。義援金などを行う事もとても大切です。しかしそれだけではなく、現地に行って地元の商店でお金を使うという事も、私たちが出来る支援だと阪神淡路大震災の時に痛感いたしました。
能登半島もまだまだ大変な状況です。軽挙妄動はせずにしっかりと状況を見ながら、その時々に合わせて私たちが出来る支援を行なってゆくことが大切だと思います。
内藤正風PROFILE
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平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。
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