豊かで楽しい人生を送るには、「体験」を通じた学習こそが不可欠なのです

ごきげんよう、こんにちは、そしてこんばんは、内藤正風です。

今日は本部いけばな教室のお稽古日だったのですが、お稽古にお越しになられた生徒さんとの会話で、「体験」というお話をしましたので、その事について今日はブログに書きたいと思います。

いけばなで大切なのは、人生を豊かにしてくれる「体験」

いけばなのお稽古と言うと、お花を綺麗に生けることが一番大切だと考えがちですが、私はそうだとは思っていません。
もちろん、お花を綺麗に生ける事が出来る様にお稽古をしているというのは言うまでもありません。そんな事は当然であり、その上でいけばなのお稽古で一番大切なのは、お花を生けるという事を通じて得られる「体験」にこそあると私は考えています。そしてそれこそが、人生を豊かにしてくれる要素として外すことが出来ないモノでもあります。

知らない体験をする。より高いレベルの体験をする。仲間と共通の体験をする。これらは絶対にその人自身の話題が豊富になると思うのです。すなわち人間としての厚みや深みが加わるという事ですし魅力が増すってことですよね。
そして色んな体験を通じて驚いたり喜んだり楽しんだりできるって、人生を大いに楽しむことが出来るという事に他ならないとも思います。

「体験」はお金を出さないと出来ないモノもある。しかしお金を出しても出来ないモノもある

「体験」には必ずお金が必要になります。
何かを体験するためにお出掛けすれば移動に費用が掛かります。仮に歩いて行ったとしても服を着たり靴を履いたりしなければお出掛けなんてできないのですから、全く費用が掛かっていないお出掛けなんてありません。
体験するために何かを買えばもちろんお金が必要になります。

ではお金を出したら何でも「体験」出来るのかというと、そんなことはありません。
たとえば遊園地に行って乗り物に乗るためにはお金が必要になります。しかしいくらお金があっても、身長制限とかがある乗り物にはその身長に達していなければ乗ることが出来ません。
あるいは一見さんおことわりのお店や、超絶予約の取れないお店などは、お金をいくら持っていても行く事すらできないのですから。

博物館級の器で食事をするからこそ、わかることが有る

先週末に、普通はなかな行くことが出来ないお店で食事をする機会を得ました。食材や調理が一流なのは言うまでもありませんし、設えや使われている器や道具まで一流のものが用いられており、眼福という言葉がありますが、目も口もそして体験も含めてとても幸せな時間になりました。

どのくらい幸せだったか一例をあげますと、器は全て江戸時代とかの古くからの良い品であったり人間国宝の品であったりで、いわゆる博物館級の物ばかりが使われていたのです。
なので普段でしたらガラスのケース越しに見るしか出来ないような一品にお料理が盛り付けられ、実際に手に取って使う事が出来るのです。
博物館級というと、希少であったり有名な作家の作であったりデザインが優れていたりという風に思いがちですが、食器などは特に手に取ってみると本当の意味での価値が分かりやすいのです。
つまり、優れたデザインや魅力的な形や風合いでありながら、手に馴染むとともにとても使いやすいのです。

古くから良い品と言われているものの本当の価値は、本来の用途で使ってこそはっきりとわかるもので、いくら博物館に行って色々な品を見ていても、絶対に分からない事なのです。

良いモノを知ることで、初めて判断できるようになることがある

私は人生って、色んな「体験」を通じて様々なことを知ることによって初めて豊かになるし、良い判断が出来るようになると思っています。
言い方を変えれば、優れたものや良いものを知ることによって、金額が高いから価値があり、安いから価値が無いというような盲目的な判断ではなく、そのもの自体の価値を自分で判断し結論することが出来る様になるのです。

私は光風流でいけばなを学ばれている皆様には、いけばなを核にしながら様々な「体験」を通じて、豊かで面白い人生を送っていただけるようにお手伝いが出来れば良いなぁと思っています。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。