あの震災から28年になりましたが、私は今も阪神淡路大震災の映像は見ないようにしています

こんにちは、内藤正風です。

今日1月17日は「冬土用の入り」であると共に、兵庫県の南部のものにとっては忘れられない「阪神淡路大震災」の起こった日になります。
阪神間のメディアはあの時の事を毎年大きく取り上げますし、私たちにとっても忘れてはいけないし忘れられない日でもあります。

私は震災の映像はできるだけ見ないようにしています

今日の私は、震災関連のニュースや報道を一切見ないようにしています。ま、SNSや何かしらでチラリと目にすることはありますが、出来る限り目にしないようにしています。
というのも、当時のニュース映像を見ると、あの時の神戸で起こっていた音や匂いが脳裏に蘇ってくるので、しんどくなってしまうからです。

震災が起こった日、私は加西市の自宅にいました。震度で言うと加西市は震度3でしたがそれでもこれまでに経験した事がないほどの長時間の揺れでしたのでこれは何事かと思って、地震の直後にテレビを付けました。するとそこから聞こえてくる情報は未確認情報とされながら阪神高速が倒壊したようだとか、あちらこちらで家が倒壊したり火災が起こっているというような、目や耳を疑うような内容ばかりでした。
そこで6時30分くらいから、光風流の方のお家や私の友人のお家に片っ端から電話をしたのですが、幸いにして大半のお家に連絡がつき家具が倒れたり家が傾いたりはしていても、皆さん無事を確認出来てホッとしたのを覚えています。
しかしそんな電話も7時30分過ぎくらいから不通になってしまい、一切の発着信が加西市でもできなくなってしまいました。幸いにして私は当時はまだ珍しかった携帯電話を持っていたので、携帯電話を持っている人とはそれなりに連絡を取り合う事が出来たのを覚えています。

神戸の友人っや仲間の元に通いながら目にした光景

その様な中で、震災の起こった当日の夜から私は神戸に夜な夜な通う様になりました。
まだ震災直後は加西市のホームセンターでは買い物も出来たので、20Lのポリタンクや、100Lとか150Lの蓋つきの大型バケツ、そして10Lくらいのごみ袋などを買うとともに、カセットコンロやカセットボンベ、小型の鍋などを買い込んで、神戸の友人や仲間で水や食べるものが無くて困っているお家に届ける事が出来る様に、お昼間はご飯を炊いておにぎりを作り、水をポリタンクやごみ袋に入れ、夜な夜な神戸に行っていたのです。
とはいえ、震災直後の神戸の街は倒壊した家が道をふさいでいたり、道が陥没したりひび割れたりしていたりして、あらゆるところが通行できないので、通行できる道も大渋滞で一晩の間に2軒から3軒行くことが出来る程度でもの凄く大変でした。

その様な中で可能な限り夜中に神戸に行っていたのですが、神戸の被災の現場はもう地獄のような光景でした。
映像などで取り上げられて皆さんよくご存じの阪神高速の倒壊した現場は、なんでこんな事が起こるのかという身の毛もよだつ恐怖しか感じなかったです。神戸の都心部に入ったら、その大部分の匂いは家を解体している現場などで感じるあの臭いなんです。そう、倒壊した家の臭いなんです。そして東灘や長田などのエリアに近づくと焦げた臭いに包まれていて、火事で燃えた臭いに支配されていました。

人はあまりにも無力であり、人の命は簡単に消えてしまう事を目の当たりにした日

特に長田では倒壊した家の中に家族の人が閉じ込められていて、家の外で「助けて!!」と気が狂ったように叫ばれていたり、お家の中から「痛いよ~」とかうめき声が聞こえていても、みんなで力を合わせても人の力では何もできないという状況があちらこちらにありました。
そして火事の火が燃え移って行って、倒壊した家に取り残されている方がまだ生きておられるのに燃えてしまい、悲鳴などという言葉では言い表すことが出来ない声というよりは音を発しながら亡くなられていく状況を目の当たりにすると、こんなにも人は無力なんだという事を思い知らされましたし、あの地獄絵図は今も私の目や耳に残っていて、28年経った現在も震災の時の映像を見ると当時のそういう事が一気に蘇ってくるので、私は見ないようにしているのです。

震災は、忘れてはいけないしこの震災からの学びを後世に伝え生かさなければならないと思います。しかし私のように当時の事を思い出すとしんどい方が被災された中にはきっと沢山おられるのだろうなとも思います。
大きな天災からの復興は大変ですが、心が休まる状態になるのも長い時間がかかるのだろうなと思います。

ってことで今日はこの辺で。着地点の無い徒然Blogでスミマセン。。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。