実は私、地震の被害の映像を見るのが苦手なのです。なぜならばあの時が鮮明に甦ってしまうので。。。

こんにちは。今日は移動のバスの中でブログを書いている、内藤正風です。

 

昨日の朝に起こった地震の影響が、まだまだあちらこちらに残っている関西です。幸いにして光風流本部のある兵庫県加西市は大きな被害もなく済んでおります。
ただ神戸方面からお稽古にお越しになられる方が交通機関のマヒから昨日のお稽古をお休みになられたり、大阪北部や兵庫東部にお住いの皆さんを中心にご自宅のお皿などが揺れで落ちで割れたというような事はお聞きしておりますが、現在のところ光風流一門の皆さんや友達の被災の情報は入ってきておりませんので”ホッ!”としております。

兵庫県に住んでいるものにとって「地震」は、どこで起こっても他人事とは思えません。なぜならば今から23年前の阪神淡路大震災の経験と記憶があるからです。

地震で被災した様子の映像って見ない様にしています

私は、地震のニュースは見るのですが、地震による被災の様子の映像は出来るだけ見ないようにしています。
毎年1月17日にマスコミに取り上げられる阪神淡路大震災の特番も一切見ません。
興味がないのではなく、あの時が甦るから、音も匂いもそのままによみがえってくるので嫌なのです。
今これを書いているだけでもなんとなく甦ってきています。

光風流でお稽古されている人や友達の安否確認と救援物資の差し入れに、走り回った阪神淡路大震災

私は震災の時には今の場所に前の年に本部を新築移転しておりましたので、被災するようなことも無く済んだのですが、光風流でお稽古されている方や友達は神戸に沢山いたので、震災のその日の夜から可能な限り神戸に行きました。
見物じゃないですよ。安否確認と救援物資の差し入れです。
家にある余分な布団や毛布を積み、20Lのポリタンに水を入れ車に詰めるだけ積み、おにぎりを大量に作って可能な限り夜な夜な神戸に行っていました。暫く経ったら風邪薬や水のいらないシャンプーやカセットコンロやキャンプ用のコンロ、まあ色んなものを持って行きました。

被災していないのに震災の様子を思い出してしまう

そんな中で幸いにして、光風流の関係者や友達で亡くなった人は1人もなかったのですが、震災の真っ只中を走り回ったのでその記憶が凄く生々しく記憶に残ってしまっているのです。
阪神高速の倒壊現場、倒壊した建物の土壁の匂い、車で住宅地を走っていると道路の上に突如現れる倒壊した民家の二階部分、半壊状態のマンションに友人を訪ねて救出した時の事、火事で建物が燃える音と匂い、そしてその熱さ、長田の方ではゴムの焦げた匂い、倒壊した家の中から聞こえる助けを求める声、声は聞こえているのに救助する手立てがない自分への苛立ち、火の手が迫って倒壊した建物と共に焼けてしまった人の断末魔の声。
書けるものだけでもこんなにあります。ここに書く事が出来ないような場面も。。。。。

あの時の印象がかなり強く記憶に残っちゃったようで、テレビとかで映像を見ただけで匂いや音が甦るし、関連する場面が脳裏に浮かんでくるのです。これを書いているだけでも気分が少し悪くなってきちゃうんです。
最近は無くなりましたが、震災後4~5年は高架の下やトンネルを走ったり信号で高架の下で停車したりするのが怖くてたまらない時期もありました。
なので地震で被災した画像は見たくないというか、見ていられないので意識して避けるようにしています。

とにかく今回の地震で被害が大きくならないことを願うばかりですし、被災された方の一日も早い復旧を願うばかりです。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。