「いけばな」は上手下手が重要なのではなく、楽しむ心こそが一番大切なのです

こんにちは、内藤正風です。
今日は午前中に姫路で教室を行ない、夕刻からの会議に間に合う様にバスで移動しながらのブログアップです。

「いけばな」に携わっている中でよく耳にする言葉があります

「いけばな」に携わっている中で私がよく耳にする言葉に、「私は感性が無いから。。。」とか「今までしたことが無いからよくわからない。。。」と仰られる方があります。これはいけばなをお稽古されているいないに関係なくよく耳にする言葉です。
しかし私はこれらの言葉は全く見当違いだと思っています。

感性はその事を行なっている中でだんだんと磨かれてゆくものです。ましてや他の人と比較するなんて大きな間違いです。だって1人1人持っている感性は違っていて当然なのですから。
そして今までにした事が無ければ「わからない」のが普通です。だってしたことが無いのに分かるって事のほうがおかしいのです。

たぶんこういう発想や思考になる原因は、「いけばな」は上手に生けないといけないというような思い込みがあるからだと私は思っています。

「苦手=下手=嫌い」という公式ではない

お稽古に来られている生徒さんの会話の中で、生け方や材料の扱いなどについて「○○○は苦手なので上手に出来ない」って言葉をお聞きすることがあります。
これすなわち苦手だから下手なんだと思っておられるという事なのですが、苦手と下手は全く関係のない事だと私は思います。

苦手っていうのは、すなわち理解が浅いからよく解っていないだけの事なのです。「苦手=下手=嫌い」って事になるのならば、逆に言えば「得意=上手=好き」って事になるのでしょうが、そうじゃないですよね。
だってゴルフは下手でも好きな方多いですよね。皆さん楽しまれているからこそあんなに朝早くから遠くまで出掛けて行ってゴルフをされているのです。申し訳ないですが「下手の横好き」って言葉がまさに当てはまる方も多いのではないでしょうか。
そしてもう少し見方を変えると、プロは上手ですが上手だからこその苦しみやしんどさも有りますよね。という事は、上手だから楽しい、下手だから楽しくないっていう公式には当てはまらないという事です。

自分の「楽しい」を見つけ、ドンドン深めてゆく事こそが、お花を楽しむ秘訣です

「いけばな」では上手になったり綺麗に生ける事に目が行きがちです。確かにそれも重要ですが実はもっと大切なことが有ります。それは「楽しみ方を知る」という事です。
どんなに色んな生け方を知っていても、どんなに綺麗にお花を生ける事が出来ても、楽しみ方を知らない方は、いけばなをしていても面白くないです。

お花を生けて飾る楽しみ。
お花を通じて家族との会話が豊かになる楽しみ。
お花を通じた友人と過ごす楽しみ。
こういう色んな楽しさを感じる事が出来るから、その楽しさをもっと大きくもっと広くもっと深くしたいって思うものなのです。

自分の未知の部分が開かれ新しい学びや刺激を得る楽しみ。
自分のステップアップやレベルアップの喜び。
仲間と同じ趣味を通じて話題を共有できる喜び。
仲間や友人に新しい楽しみを紹介したり伝えたりする事が出来る喜び。

お花の楽しみ方なんて1人1人全然違っているのが普通です。
隣の人と比べてなんて、全く無意味です。
自分の楽しいと思える事を見つけ、挑戦したり試行錯誤をしたりしながら楽しいと思えることをドンドン深めてゆく。これこそがお花を楽しむ秘訣だし醍醐味だと私は思います。

内藤正風PROFILE

内藤 正風
内藤 正風
平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。